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産業医 12 産業医と個人情報

菊池捷男

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1 一般に、個人情報は取得時には本人の同意は不要だが、個人のセンシティブ情報の取得には同意が求められることが多い。
(裁判例)産業医が会社から労働者(ブラジル人)のHIV抗体検査を頼まれ本人の同意無く実施した(陽性・その後解雇につながる)ことで、会社に200万円、産業医に150万円の慰謝料の支払いが命じられた(千葉地判平12.6.12)
(裁判例)会社が就職希望の学生の同意を得ることもなく、産業医にB型肝炎ウイルスの検査及び精密検査をさせた行為は、学生のプライバシーを侵害する不法行為であるとして150万円の慰謝料支払義務を認めた(判決の傍論で、被告金融機関が従業員をB型肝炎ウイルスがあったからとの理由で不採用にすることは違法と判示。しかしこの件は結果不採用だが、検査結果のみを理由としたものではない、とされた。東京地判平15.6.20)。

2 労働者の同意を得て個人情報を取得した場合でもその保護が重要。事業場と連携して、個人情報保護ルールを確立し、労働者に周知。相談しやすい環境を作ること

3 刑法に注意
業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処される(刑法第134条)。

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専門家

菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

迅速(相談要請があれば原則その日の内に相談可能)、的確、丁寧(法律相談の回答は、文献や裁判例の裏付けを添付)に、相談者の立場でアドバイス

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