相続税のお話し 7 代償分割に潜む落とし穴
Q 昨日のコラムの質問者です。特別受益財産確認訴訟は起こせないということは、昨日のコラム「相続相談33」で分かりました。
では、一歩進めて、遺産分割の基準になる具体的相続分の確認訴訟を起こすことはできませんか?
A できません。
最判平12.2.24は、具体的相続分は、遺産分割手続における分配の前提となるべき計算上の価額又はその価額の遺産の総額に対する割合を意味するものであって,それ自体を実体法上の権利関係であるということはできないので、具体的相続分についてその価額又は割合の確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法である、と判示しています。