相続と登記 9 遺留分減殺請求と登記
Q(質問者)70才代の男性です。自分には相続人となる者としては、妻と長女、次女がいるが、長女には自宅を相続させ、妻には、動産のすべてを相続させるつもりあるので、そのように遺言書を書きたい。そこで「私は、妻○○子には動産のすべてを相続させる。自宅は長女にさせる。」と遺言書を書いた。この内容で問題はないか?
A(弁護士)あなたには、預貯金はないのですか?
Q 預貯金は2000万円ばかりあるが、預貯金などの動産は全部妻に相続させるので、遺言書にそう書いたが、これは問題なのか?
A (その後詳しい話を聴いた後の弁護士の回答)
預貯金や投資信託は動産ではありません。あなたが書かれた遺言書の文言からは、預貯金2000万円、投資信託1000万円は、誰にも遺贈(相続させる旨の遺言を含む)していないことになりますので、あなたが今のままの文言で遺言書を書けば、自宅の土地建物(評価額)3000万円は、長女が取得し、(評価額)50万円の動産は奥さんが取得されますが、次女は自宅+動産+預貯金+投資信託=6050万円の法定相続分1/4に相当する1512万5000円を、預貯金と投資信託の中から、相続できることになりますよ。
Q それは困る。では、どう書けば良いのか?
A 「私は自宅の土地建物を長女に相続させる。その余の財産はすべて妻に相続させる。」と書けば、あなたが考えているとおりの効果が生じます。
なお、このことは、「相続ノート」73ページに書いていますよ。