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交通事故 39 医療関係費② 付添看護費

菊池捷男

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テーマ:交通事故

1 認められる場合
①医師の証明がある場合、②被害者の年齢から保護者の付添が必要と判断されるとき、③受傷の程度が付添を必要と判断されるとき
これらの必要性は、具体的に判断される。被害が重篤の場合で、全入院期間439日間のうち最初の30日分を近親者3名分、次の39日間を職業付添人と近親者各1名分、それ以後近親者1名分を認めた裁判例(名古屋地判平5.8.27)がある。

2 金額
⑴ 職業付添人 実費全額
⑵ 近親者 1日6500円ないしその2~3割増

3 通院付添費
①症状がそれを必要とする場合、②幼児の場合は、被害者の通院に近親者が付き添った場合、1日につき、3300円以上の付添費が被害者本人の損害として認められる。

4 自宅での付添費
裁判例では、①けいれんが起こりやすくなった被害者、②重篤な高次脳機能障害の被害者、③定位、座位が保持できない被害者、その他日常生活で人の介護を要する被害者に認められる。付添の時間、程度により、職業付添人の場合、日額2万6666円もあれば6000円(時間給2000円)というのもある。近親者でも、次のようなケースでは職業付添人の費用の7割程度認めたものもある。

5 将来の付添費
必要があれば、当然、認められる。
遷延性意識障害(いわゆる植物人間)になった子(症状固定時38歳)を、自宅で介護する母親に、67歳までは日額6500円、それ以後は日額2万7000円(職業付添人費用の7割相当額)を認めた裁判例(千葉地佐倉支判平1809.27)があるが、この判決の付添費の合計は1億3441万円余になっている。

6 付添近親者の休業損害金
夫の入院中、妻が職場を休職して付き添ったケースで、妻の休業損害金を認めた裁判例(東京地八王子支平12.10.17)がある。しかし、妻の休業損害金の全額は認めず、日額1万1286円(職業付添人の費用相当額)の限度で認めた裁判例(奥島地阿南支平13.5.29)もある。
1級3号で植物状態になった17歳男性の場合で、両親の付添介護費として日額6000円を認めたほか、父が勤務先を欠勤したことによる休業損害金を認めた裁判例(大阪地判平15.4.18)もある。

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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

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