継続的契約の一方的な解約は許されるか?
1 破産手続開始の申立をした場合
建物賃貸借契約の場合は、破産手続開始の申立を解除理由とした場合は、無効
最判昭和43年11月21日は、「賃貸人の解約を制限する借家法1条の2(現借地借家法28条)の規定の趣旨に反し、賃借人に不利なものであるから同法6条(現借地借家法30条)により無効と解すべきである」と判示しました。
2 民事再生手続開始の申立を解除理由とした場合
秋田地判平成14年2月7日は、賃借人に再生手続開始の申立てがあったことを解除事由とする特約は、民事再生法49条1項の趣旨、さらには民事再生法の目的を没却するので無効である、と判示しました。
東京地判平成21年1月16日も、無効であると判示しました。
借地借家法の適用を受けない一般の取引契約であっても、各種倒産手続を利用するのは、国民の権利ですので、その権利を行使したことを理由に解除することはできない、とされる場合があります。
ですから、このような契約の場合は、倒産手続を利用したことを理由に解除するという約束ではなく、倒産手続の開始の申立を期限の利益喪失事由、つまり、倒産手続の開始の申立をすると、債務の弁済期が到来するという約束にし、その債務の支払がないときに解除できるという条項にした方がよいようです。