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不動産 13 商人同士の不動産売買では瑕疵担保期間は短い

菊池捷男

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テーマ:不動産

1引渡を受けたときは6箇月以内に調査・通知をしないと瑕疵担保に関する権利はなくなる
商法526条1項は「商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。」、
2項で「前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物に瑕疵があること・・・を発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵・・を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が6箇月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする。」
と「買主による検査と瑕疵発見の通知義務」を定めていますので、
商人から商人が、不動産を買い受けたときは、引渡を受けた後6箇月を経過すると、売主に対し、瑕疵担保責任を追求することができなくなります。
ただし、3項で、「前項の規定は、売主がその瑕疵・・につき悪意であった場合には、適用しない。」と規定されていますので、売主が、瑕疵のあることを知っていた場合は、例外です。

2土壌汚染のある土地を購入した場合の事例
東京地裁平成18.9.5判決の事件は、土壌汚染のある土地を購入した場合の例です。
この件で問題になった土地は、機械等の解体業者に賃貸していた土地ですが、買主はこれを購入し、その引渡しを受けた後6箇月以上経過して土地の土壌汚染調査を行い、地中から、環境庁告示にかかる環境基準、環境省運用基準及び土壌汚染対策法の定める各基準値を上回る鉛及びふっ素が検出されたので、そのことを売主に通知をしたのですが、
判決は、
①土壌汚染は土地上に一見明らかな形で存在していることは少なく、目視等の通常の検査では発見することが困難であるといえるから、同条にいう直ちに発見することが困難な瑕疵に該当し、引渡し後、六か月が経過した後には、買主は、売主に対して瑕疵担保責任に基づく請求をすることができないものと解される。
② 同条項は、その文言上、土地についての瑕疵を除外していないし、商取引における迅速性の確保という同条項の趣旨は、土地等不動産の取引にも当てはまるものである。
③ したがって、本件土地の土壌汚染についての瑕疵担保責任の主張にも同条項の適用があり、特段の事情がない限り、引渡し後六か月の経過によって買主は同責任に基づく主張をなしえない。
と判示しました。

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菊池捷男(弁護士)

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