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間違えやすい法令用語 31 所有・占有・所持

菊池捷男

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テーマ:法令用語

1 所有
「所有」とは特定の財産について所有権を有することです。
民法241条は「埋蔵物は、・・・6箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを発見した者がその所有権を取得する。ただし、他人の所有する物の中から・・・」と規定していますが、この中に「所有者」「所有権」「所有する」という言葉があります。

要は、所有とは、所有者が、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利(民法206条)のことをいうのです。

2 占有
「占有」とは、「自己のためにする意思を持って物を所持すること」をいいます。
民法180条に「占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。」と規定しているとおりです。
ここで、「自己のためにする意思」というのは、所持による事実上の利益を自分に帰属させようとする意思」をいいます。
土地を占有しているとは、その土地を自分が使用収益する意思で支配下においていることをいうのです。

3 所持
「所持」とは、人が物を事実上支配している状態をいいます。
警察官職務執行法2条4項は「警察官は、・・・逮捕されている者についは、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。」と規定していますが、ここでいう「所持」は、逮捕された者の、自己のためにする意思によらない事実上の支配をも含む用語になっているのです。

4 所有・占有・所持の範囲
物の支配という点では、事実上の物の支配を意味する所持がもっとも広く、所持の中で自己のためにする意思による事実上の支配である占有がこれに続き、占有には所有権だけでなく賃借権などの占有もあることから、所有がもっとも狭い範囲になります。

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菊池捷男(弁護士)

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