コラム
交通事故 不誠実な加害者には、慰謝料が加算される
2011年7月27日 公開 / 2016年3月15日更新
1 慰謝料の額は、後遺障害等級や入通院期間・治療実日数だけで決まるものではない
交通事故における慰謝料の額は、入院期間や通院期間・治療実日数や後遺症の等級だけで決まるわけではありません。
怪我や後遺症の程度、内容、被害者の心神面への影響、職業、家族や家計への影響その他の事情が加味されて慰謝料の額が決められます。
そのような要素の1つに「加害者の誠意」があります。
2 加害者に誠意がない場合は、慰謝料の額が加算される
(1) 東京地裁平成14年9月26日判決は、
自ら追突事故を起こし、被害者に頸椎捻挫等で約4か月通院治療を受けさせる怪我を負わせた加害者が、事故は玉突き事故であって、自分には過失はないと主張するだけでなく、自分に有利になるようなタコチャート紙の解析結果を証拠として提出するなどしたために、いたずらに訴訟が伸びてしまい、被害者に苦痛を与えたとの理由で、加害者に対し、慰謝料額を増額しております。
(2) 東京地裁平成15年2月17日判決は、加害者が警察官から目撃者の供述内容を聞いていながら責任を否定し続け、もって被害弁償がなされなかった可能性もあったとの理由で、慰謝料額の加算を認めました。
関連するコラム
- 交通事故 56 任意保険② 人身傷害保険(人身傷害条項) 2012-07-07
- 交通事故 21 逸失利益⑫ 定期金賠償は認められるか? 2012-06-04
- 交通事故 23 後遺障害① 自賠責が認めなかった後遺障害を認めた裁判例 2012-06-06
- 交通事故 25 後遺障害③ PTSD(心的外傷性ストレス障害) 2012-06-08
- 交通事故 43 遅延損害金 2012-06-24
コラムのテーマ一覧
- 時々のメモ
- コーポレートガバナンス改革
- 企業法務の勘所
- 宅建業法
- 法令満作
- コラム50選
- コロナ禍と企業法務
- 菊池捷男のガバナー日記
- 令和時代の相続法
- 改正相続法の解説
- 相続(その他篇)
- 相続(遺言篇)
- 相続(相続税篇)
- 相続(相続放棄篇)
- 相続(遺産分割篇)
- 相続(遺留分篇)
- 会社法講義
- イラストによる相続法
- 菊池と後藤の会社法
- 会社関係法
- 相続判例法理
- 事業の承継
- 不動産法(売買編まとめ)
- 不動産法(賃貸借編)
- マンション
- 債権法改正と契約実務
- 諺にして学ぶ法
- その他
- 遺言執行者の権限の明確化
- 公用文用語
- 法令用語
- 危機管理
- 大切にしたいもの
- 歴史と偉人と言葉
- 契約書
- 民法雑学
- 民法と税法
- 商取引
- 地方行政
- 建築
- 労働
- 離婚
- 著作権
- 不動産
- 交通事故
- 相続相談
カテゴリから記事を探す
菊池捷男プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。