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相続 179 相続財産の調査方法③ 建物

2011年5月18日 公開 / 2011年5月19日更新

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

1 調査資料
⑴ 法務局にある資料
建物図面・・・保存登記の際作成され法務局に保存されるもの・・・閲覧・謄写が可能
登記事項証明書(登記簿謄本)
住宅地図又は公図・・法務局にある住宅地図には、都市計画法上の用途地域が記載されている。
⑵ 市区町村にある資料
固定資産税の納税通知書
固定資産課税台帳・・課税補充台帳には未登記建物や増改築の面積が登録されている。
⑶ その他
建物設計図面、建築確認申請書控え・・・建物配置図、敷地利用図が作成されている。
写真(近景、遠景、道路状況を撮影したもの)

2 評価(相続税計算をする場合)
建物の評価額は固定資産税評価額になりますが、増改築に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていないものについては、その建物に類似した付近の建物を参考に評定した価額になっています。しかし、そのような家屋がない場合は、その増改築に係る部分の再建築価額から償却費相当額を控除した価額の70/100に相当する金額を加算した価額になります。
建築中の家屋についても、それまでに投下された費用現価の額に0.7を乗じた金額が評価額になります。

3 建物の特定
これは土地の特定と同じ問題がありますので、登記簿謄本を見て、そのとおりに書くことが求められます。登記簿謄本では、「所在」「家屋番号」「①種類」「②構造」「③床面積」欄に記載がありますので、それを見て書くと良いでしょう。

4 庭園設備等の附属設備
相続税法上、附属設備には、建物の評価額に含まれているものと、含まれていないものがあります。門、塀等の構築物、庭木、庭石、あずまや、庭池等の庭園設備は、建物に附属する設備とされていませんので、個別に評価することになっています。その評価方法は、門、塀等の構築物については、基本的には、建物の増改築、あるいは新築中の建物の価額算出方法と同様、再建築価額から償却費相当額を控除した価額の70/100に相当する金額になります。庭木、庭石、あずまや、庭池等の庭園設備については、調達価額×0.7で評価されることになっていますが、実務的には、特に交換価値のある物以外は、0評価でよいとされています。遺産分割の際は、これらが特に相続財産として問題にされることはありません。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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