コラム
相続 95 相続分の譲渡の2つの態様と実務的意味
2011年1月10日
1 相続分の譲渡の2つの態様
1つは共同相続人間になされる相続分の譲渡です。もう1つは相続人から第三者への相続分の譲渡です。
2 実務的な意味
これは相続人間の相続分の譲渡の場合に見られますが、共同相続人の一部の者が、自分の相続分を他の相続人に譲渡したいと思った場合にそれができるということです。
例えば、相続人が妻と長男、長女、二男である場合、その法定相続分は、妻が1/2、長男が1/6、長女が1/6、二男が1/6になりますが、長女が自分は遺産は要らないと言って相続を放棄しますと、それ以外の相続人の法定相続分は、妻が1/2、長男が1/4、二男が1/4になります。この場合は、結果的に、長女の相続分が長男と二男に半分ずつ移転した場合と同じになります。
しかし、長女が自分の相続分を母に譲渡しますと、長女以外の各相続人の相続分は、妻が4/6、長男が1/6、二男が1/6になり、母の相続分がぐ~んと増えます。
相続人間の相続分の譲渡は、実務的には結構多いニーズです。
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