遺言執行者観に関する謬説がなくなるまで①
企業が行う広告については、次のような規制があります。
第1 不当景品類及び不当表示防止法(略称:景品表示法)による規制
1 規制対象は、
チラシ,ダイレクトメール,ポスター,看板,CM,出版物等の広告媒体です。
2 禁止される表示は、
(1)優良誤認表示(同法4条1項1号)
商品・役務の品質,規格その他の内容について,実際のものよりも著しく優良であると示し,又は事実に相違して他の事業者によるものよりも著しく優良であると示す表示であって,不当に顧客を誘因し,一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの。
※ 役務とはサービスのことです。
(2)価格その他の取引条件に関する不当表示(同項2号)
商品又は役務その他の取引条件について,実際のもの又は他の事業者によるものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示であって,不当に顧客を誘因し,一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれにあるもの。
※ 価格には,割引率など間接的なものも含まれます。
(3)おとり広告に関する表示(同項3号,H5.4.28公取委告示17号)
①取引を行うための準備がなされていない場合その他実際には取引に応じることができない場合のその商品又は役務についての表示
②供給量が著しく限定されているにもかかわらず,その限定の内容が明瞭に記載されていない場合のその商品又は役務について表示
③供給期間,供給の相手が又は顧客一人あたりの供給量が限定されているにもかかわらず,その限定の内容が明瞭に記載されていない場合のその商品又は役務についての表示
④合理的な理由がないのに取引の成立を妨げる行為が行われる場合その他実際には取引する意思がない場合のその商品又は役務についての表示
※ 取り扱う商品やサービスの質・量に比べ、過大な商品・サービスを取り扱っていると誤認させる広告のことです。
第2 不正競争防止法による規制
同法により禁止される行為は,次のとおりです。
1 周知表示混同惹起行為(同法2条1項1号)
他人の「商品等表示」(会社名,商標,看板,マーク等)として需要者の間に広く知れわたったものと同一・類似の表示を使用し,他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為。
※ 他の有名商品、有名サービスの商標、サービスマークに“ただ乗り”することです。
2 著名表示冒用行為(同項2号)
自己の「商品等表示」として他人の著名な「商品等表示」を使用する行為。
※ これも他の有名商品、有名サービスの商標、サービスマークに“ただ乗り”することです。
3 ドメイン名使用等行為(同項12号)
不正の利益を得る目的で,又は他人に損害を加える目的で,他人の特定商品等と同一・類似のドメイン名を使用する権利を取得・保有し,又はそのドメイン名を使用する行為。
※ドメイン名とは,インターネット上の住所のようなもので,メールアドレス及びウェブアドレスとして使用するものです。
※上記のような目的で,他人の同一又は類似のドメイン名を使用することはできません。
4 品質等誤認惹起行為(同項13号)
商品・役務又はその広告・取引上の書類・通信に係る誤認惹起表示(原産地,品質,内容,製造方法,用途,数量等を誤認させる表示)を行う行為。
※このような行為は,景品法により禁止される行為と重複するものですが,不正競争防止法によっても禁止されています。
※ 原産地を偽った表示をして、刑事事件になった企業が何件かマスコミに報道されていました。
5 競争者営業誹謗行為(同項13号)
競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知・流布する行為。
※他の競合社を誹謗中傷する内容の広告はできません。
6 外国の国旗等の商業上の使用行為(同法16条1項)
外国の国旗・紋章・記章と同一又は類似のものを商標として使用すること。
7 国際機関の標章等の商業上の使用行為(同法17条)
国際機関と関係があると誤信させるような方法で,国際機関の標章と同一又は類似のものを商標として使用すること
第3 その他
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(略称:風適法)による規制等もありますが、ここでは省略します。