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下田茂

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下田茂(しもだしげる)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

コラム

知財雑感 … 「人マネ」はどこまで許されるか!

雑感

2017年7月15日 / 2018年9月22日更新

 最近、タイトルに関連する知財絡みのニュースが二件ほどありました。「コメダ珈琲店」が、自社の店舗の外観などに似ているとして和歌山市の会社を訴えていた裁判で和解が成立したニュースと、「小学館」が、自社から発行しているレシピ本のタイトルや写真素材等のカバーデザインが似ているとして「新星出版社」に販売中止を要請していた件で合意が成立したニュースです。
 「コメダ珈琲店」のケースでは、不正競争防止法に違反するとして裁判を起こしています。一方、「小学館」のケースは、単に申し入れをおこなったというだけで、特に、法律的な手続きを行ったわけではなさそうです。この「小学館」のケースについて考えてみます。
 一般に、本のタイトルやカバーデザインなどが似ていると判断した場合、著作権法違反として、販売中止を求めてもよいように思えるのですが、このケースの場合、「小学館」側は、著作権法違反ではないと判断したと思われます。見方を変えれば、販売中止を要請された「新星出版社」側も、仮に、「小学館」のレシピ本を参考にしてデザインした事実があったとしても、最終的に著作権法違反にはならないと判断、つまり、法律上は問題ないと判断し、発行に踏み切ったものと想像できます。
 著作権法によれば、例えば、デザインの場合、保護されるのはデザインの「表現」であり、デザインの「モチーフ」は保護されません。前掲の写真を例にとれば、弁当箱のユニークな配置などの「モチーフ」を真似たとしても、中のオカズの種類が異なった場合、「表現」が異なることになり、著作権法上は問題ないことになります。この場合のモチーフとは、デザインの基礎となるアイデアと思ってよいでしょう。
 ところで、このニュースに対する一般の人からのコメントを見ると、多くの人が「これはダメでしょ!」と見ており、ここに、法律と現実のギャップを感じます。
 著作者にとって、著作の中心には「モチーフ」が存在します。「表現」だけを変え、法律的には問題ないと判断しても、「モチーフ」のいわばパクリは、一般の人からも直ぐに見抜かれてしまいます。
 なお、「人マネ」が駄目といっているわけではありません。一部を人マネに頼ったとしても、他人のモノはあくまでも参考(ヒント)に留め、多くの部分で自分の思考を反映させることが、結果的に自分の力になり、ほんとうの意味で身に付いていくものと思います。
 「人マネ」は、少しであってもパクリの要素を秘めており、この要素についての程度の判断には、その人(会社)の見方が現れます。「人マネ」がどこまで許されるかは難しい問題ですが、法律と現実を見て適切に判断する必要があり、法律上は問題ないという安易な判断のみでは、結局、その人(会社)のイメージダウンや信用低下につながってしまいます。

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