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松村篤

労働生産性向上のプロ

松村篤(まつむらあつし)

みやこ社会保険労務士事務所

コラム

懲戒解雇の処分を行うには労働基準監督署への申請認定が必須?

労務管理

2017年11月6日

当社で、懲戒解雇を検討すべき事案が発生しました。
月半ばの懲罰委員会で処分を決定し、月末付での処分を予定しています。
懲戒解雇をするにあたって、労働基準監督署(以下、労基署)の認定を受けておくべきという意見がありました。
その場合、申請認定の判断がなされるまで解雇処分はできないのでしょうか?

(結論)
解雇するには、対象となる労働者に対して少なくとも30日前に予告をしなければいけません。

予告をしない場合は、平均賃金の30日分以上にあたる手当を支払うことで即時解雇することが可能となります。
ただし、「天災により事業の存続が困難となった場合」や「労働者に解雇される理由がある場合」には、予告も手当も必要ありません。
これらに該当するのであれば行政官庁(労基署長)の認定を受ける必要がありますが、申請認定が判断される前に解雇できます。解雇後に認定を受ければ問題はありません。
解雇には「普通解雇」や「懲戒解雇」のほか、懲戒解雇を若干軽減した「諭旨解雇」といったものがあります。
退職願の提出を勧告し、即時退職を求める「諭旨解雇」に応じない場合に懲戒解雇する方法もあります。

労働基準法(以下、労基法)では、これらを区別することなく、解雇に関する規定が適応されます。

すなわち解雇制限(19条)や、解雇予告義務(20条)の規定です。
※法19条は今回の本旨とはずれるので省略します

法20条で定められている内容は、「解雇する旨を使用者に少なくとも30日前に予告しなければならない」というものです。
予告をしない場合は、解雇予告手当を支払わなければいけません。

予告手当は平均賃金(解雇通告した日以前に支払われた賃金の総額÷3ヵ月間の総日数)の30日分以上を指し、予告と手当を併用する形も認められています。
たとえば、5日分の解雇予告手当を支払えば、25日前に解雇予告をすることも可能なのです。
 
この予告と手当ですが、「天災事変その他やむを得ない事由」と「労働者の責に帰すべき事由」に基づいて解雇する場合は必要ありません。
ただし、行政官庁(労基署長)の認定を受ける必要があります。
つまり、認定を受ければ、予告期間30日を待たなくても、手当を支払わなくても、即時解雇が可能なのです。

認定申請をする場合、認定されるまで解雇できないわけではありません。
通達(昭63・3・14基発150号)では、「認定処分が出るまでに解雇をしても、その後認定が出たときは、その処分は申請のときにさかのぼって効力を発生する」といっています。したがって、解雇自体は可能なのです。

「労働者の責に帰するべき事由」に当てはまるかどうかは、従業員の勤務年数や勤務状況、従業員の地位や職責を考慮し、使用者と従業員の双方から直接事情などを聞いて判断されます。

解雇の検討をしている方は、一度ご相談していただければと思います。



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