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コラム

年金制度は、万一の時にあなたを守ります。

2013年10月22日

テーマ:労務管理

コラムカテゴリ:ビジネス

 「将来は年金がもらえないから、年金の保険料(国民年金、厚生年金保険)を支払いたくない。」という労働者の方や、「保険料が高いから、厚生年金に加入したくない。」という経営者の方。皆様の近くにもいらっしゃるかもしれません。
 
 さて、この年金制度ですが、「老齢」のことばかり考えていませんか??年金制度には、「老齢」の他にも、「障害」と「遺族」の年金制度があります。
 障害年金は、生まれながら、もしくは、病気や怪我などでハンディキャップを負った場合に、支給されるものです。
 遺族年金は、残された遺族の生活の保障や、亡くなった方の保険料の掛け捨てを防止するものです。
 つまり、年金制度が想定している「事故」は「老齢」ばかりではなく、「障害」や「死亡」といった場合もきっちり保障してくれる制度なのです。

 ところで、経営者の方の中には、「従業員が自分で国民年金に加入していれば良い」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、国民年金と厚生年金では「万が一」の時に大きな違いが出てきます。
 「障害」年金であれば、厚生年金(障害の重さが3段階の評価)の方が、国民年金(障害の重さが2段階の評価)より広く保障されます。つまり、「国民年金」では保障されないものが「厚生年金」であれば、保障されるということです。
 「遺族」であれば、厚生年金は、「配偶者、子、父母、孫、祖父母」まで受給できる可能性がありますが、国民年金は、「子のある妻又は子」のみです。もらえる範囲が大分違うでしょ?
 経営者の皆様!!もし、労働者の方に万一のことがあったら、厚生年金に加入手続きをしていないことを理由に保障が受けられれず、訴えられるかも知れませんよ。
 そして、なにより「国民年金」に上乗せされるのが「厚生年金」ですから、厚生年金の手続きがなされているかどうかが、給付額にダイレクトに跳ね返ります。

 一方で、「入りたくない」という労働者の方や、滞納を続けている皆さんは、もう一度「万が一」の時の保障を見直してみてください。あなたは、一生涯収入を得ることができますか??また、「国は国民の生命財産を守る義務がある」とお思いかもしれません。それは、少し「甘い」です。国は、「国民の生命財産を守る為」に社会保障制度を整えているので、社会保険料を支払わないと言うのであれば、国民自ら、国の保護を拒絶していることにもなりかねません。

 年金保険の制度は、財政の問題等色々言われてはいますが、国民一人一人がきっちり制度を理解することが、先だと思います。

この記事を書いたプロ

松村篤

労働生産性向上のプロ

松村篤(みやこ社会保険労務士事務所)

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