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松村篤

労働生産性向上のプロ

松村篤(まつむらあつし)

みやこ社会保険労務士事務所

コラム

労働時間「週44時間制」の特例を適用している場合、パートタイマーの年休基準をどうする?

労務管理

2017年5月9日

<ご質問>
当社は従業員10人未満につき、労働時間を1週44時間とする「週44時間制」の特例を適用しています。通常の「週40時間制」の場合、週所定労働時間が30時間を超えるパートタイマーは、正社員と同じ年次有給休暇日数を付与しなければいけませんが、週44時間制の事業場で働くパートタイマーの場合、別の基準があるのですか?
【高知・Y社】

<回答>
「週44時間」でも「週40時間」でも原則通り。週所定労働時間が30時間未満のパートタイマーは比例付与にて年次有給休暇が付与され、週30時間以上のパートタイマーの場合は、正社員と同じ日数の年次有給休暇が付与されます。


使用者は、雇い入れから6ヵ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した者に対し、継続または分割した10日の年次有給休暇を与えなければなりません(労働基準法39条)。

以下のパートタイマーには所定労働日数に応じた比例付与の規定が適用されます。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyungyosei06.html

(1)週所定労働日数が4日以下(労働基準法施行規則24条の3第4項)
つまり、1日の労働時間が短くても、週5日働く場合は、比例付与の対象外です。
(2)1年間の所定労働日数が216日以下(労働基準法施行規則24条の3第5項)

(1)と(2)はいずれかの選択ではなく、週単位で所定労働日数を決めていれば、(1)の基準が適用されます。「月の前半だけ労働する」など、月単位で所定労働日数が定められている場合は、(2)の基準が適用されることがあります。

週所定労働日数等が少なくても、1日の労働時間が長く、週の所定労働時間は通常の労働者と変わらないようなケースもあります。労働基準法施行規則24条の3第1項では「週30時間以上」の者も、比例付与の対象外としています。

では、週の所定労働時間が44時間の特例を敷く事業場の場合、比例付与の基準はどうなるのでしょうか。

まず、比例付与の日数がどう決まるかをみてみます。「通常の労働者の1週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数」と、パート等比例付与の対象となる者の所定労働日数の比率を考慮して、比例付与の日数が決まります。

なお、「通常の労働者の1週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数」は「5.2日」とされています(労働基準法施行規則24条の3)。「5.2日」としたのは、労働者1人平均の週法定労働時間を、週40時間の場合は5日、週44時間の場合は5.5日と換算して、それぞれの事業場数に応じて加重平均して積算したものとされています。

以上から、この「5.2日」という数字は、週44時間制の事業場のケースも踏まえて計算されており、週44時間制の事業場でも、パートタイマーの年次有給休暇の付与は、原則通り「週30時間」を基準に考えます。

例えば、週4日勤務のパートタイマーで、雇い入れから6ヵ月経過後であれば、原則10日×4日÷5.2日=7日(小数点以下切り捨て)となります。週40時間制の事業場でも週44時間制の事業場でも同様です。


【記事提供元】
「安全スタッフ」2017年4月15日号

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