コラム
宗教豆知識『仏教』⑬浄土真宗の教え
2009年12月29日
【浄土真宗の教え】
初期の仏教は、成仏するために様々な修行が求められていました。
様々な戒律を守り、経典を研鑽するという修行は、
日常生活を送るものにとっては難しく、
釈尊の場合は一生涯の修行で仏になることができましたが、
我々のような普通の人間が容易になし得ることではありません。
やがて、庶民の間に仏教が浸透するにつれて、
実践行を通して自力で仏になることへの反省が芽生え、
自分の成し得ることをした上で、
その後は仏の加護と救済にゆだねれば良いのではないか、
という他力思想が生まれてきます。
この他力思想のひとつの現れが、
法然の打ち出した念仏の教えです。
それは、ひたすら「南無阿弥陀仏」と唱えて
阿弥陀仏の他力にすがるというものでした。
しかしこの浄土宗とて、念仏を唱えるという
自力の行は認めていたのです。
これに対して、念仏を唱えること
それ自体が既に阿弥陀仏の他力によるのだという、
「絶対他力」の教えを説いたのが親鸞です。
法然の念仏では、わたしたちが阿弥陀仏の
救済を願うことが求められていましたが、
親鸞によれば、念仏は自分の意志によるものというより、
自然に口からほとばしるものであり、成仏を願っているのは
むしろ阿弥陀如来だとされています(絶対他力の本願)。
自力を捨て、こうした本願を信じ、
いかなる者も見捨てずに救済する阿弥陀仏の慈悲を前にして、
思わず口について出る報恩感謝のしるし、
それが親鸞聖人の説く念仏なのです。
霊園ガイド(六月書房発行)より
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