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分譲マンションの管理を他人任せにしてはいけません

2014年8月25日 公開 / 2023年9月23日更新

テーマ:マンション問題

コラムカテゴリ:法律関連

 前回のコラムで、分譲マンションを購入すると、ほぼ必然的にみなさんはマンションの管理組合に加入し、組合員となるはずだと書きました。

 では、組合員となった場合、マンションの管理にどのように関わっていけばよいのでしょうか。

分譲マンションの管理

 前回も書いたとおり、マンションには、みなさん自身の持ち物となる「専有部分」のほかに、マンションの玄関、廊下、エレベーターなどの「共用部分」があります。
 基本的には、マンションの所有者(組合員)全員で構成する管理組合が、この共用部分を管理していくことになります。

 管理組合は、通常、年に最低1回は総会を開催して、役員を決定したり、予算や決算の承認をしたりします。
 また、マンション全体の重要な事項の議決を行ったりもします。
 総会は通常年に1回程度なので、重要な事項以外の件については、理事長や理事などの総会で選任された役員が都度対応していくことになります。

 しかし、実際には、共用部分の管理や、みなさんからの管理費の徴収などのお金の管理などは、非常に細かい事務作業が必要となります。
 こうした対応を役員が全て担うのは非常に負担が大きいものです。
 そのため、これを管理会社などの外部に委託することが多いわけです。

 ですが、こうして「委託」と表現したとおり、管理会社というのはあくまでも「本来管理組合が自分でやるべきことを引き受けているだけ」です。
 ですから、自分たちのために何でもしてくれるというような存在ではないのです。

他人任せにしないように

 マンションの管理については、ほとんどのケースで管理会社がついているため、どうしても「他人任せ」になりがちです。
 ですが、上記のとおり、管理会社の業務というのは管理組合が自分でやるべきことを代わりにやっているだけです。
 ですから、何でもかんでも管理会社に丸投げというわけにはいかないのです。

 管理会社に対してだけでなく、管理組合の役員についても、誰かがやってくれると考えて、自分が就任することを避ける傾向は強いのではないかと思います。
 しかしこれも、役員の仕事は自分たちが住んでいるマンションを守るための役割の一つなのですから、自分の財産や生活を守るという意味では、組合員の一部だけが犠牲になるべきものではなく、全員が関わっていくべき性質のものなのです。

 もし役員にならなくても、管理費をきちんと納めること、総会へきちんと出席して毎年のマンションの管理状況を確認しておくというようなことも、一組合員としての大事な仕事ということができます。

 このように、あくまでも「自分のマンションや生活を守るため」という気持ちで、積極的に関わりを持とうとする気持ちが大事です。
 みなさんは、他人任せにしたりせずに、「自分のマンションや生活を守るため」という気持ちで、主体的に関わっていただければと思います。

この記事を書いたプロ

川島英雄

交通事故・医療事故の被害者を守る法律のプロ

川島英雄(札幌おおぞら法律事務所)

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