HACCPにまつわるQ&A（3）

2023年7月27日

テーマ：HACCP

コラムカテゴリ：ビジネス

Q.ドアの中がすぐに製造場所でもHACCPはできますか？

A.ドアの中が直接製造場所となる場合、何の対策も行わなければHACCPの実施は困難です。HACCPは食品製造や加工工程におけるリスクを評価し、それらのリスクを管理するための手法です。製造場所となるエリアでは、衛生基準や清潔さの確保が重要であり、それを実現するための対策が必要です。

　ドアの中が製造場所となる場合、衛生基準や清潔さを維持することが難しくなる可能性があります。例えば、ドアの内側には埃や汚れがたまりやすく、食品の衛生状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ドアの開閉によって外部からの微生物や汚染物質が侵入するリスクも高まります。

　HACCPの実施においては、衛生基準を満たすために清潔な環境を確保する必要があります。製造場所となるエリアにおいては、壁や床面、作業台などが衛生基準に適合し、適切な清掃手順や衛生管理が行われる必要があります。

　もしドアの中が製造場所となる場合、HACCPの実施を考える際には以下のような対策が検討されるかもしれません。

1．ドアの交換または改修: 衛生基準を満たすために、適切な材料や設計のドアに交換することが考えられます。衛生基準に適合する材料や表面処理を施したドアを選ぶことが重要です。

2．清潔保持と定期的な清掃: ドア内部の清潔さを確保するために、定期的な清掃とメンテナンスが必要です。埃や汚れの蓄積を防ぐため、適切な清掃手順を策定し、従業員にトレーニングを行います。

3．適切なドアの使用: ドアの開閉による外部からの汚染リスクを最小限に抑えるため、適切なドアの使用方法を従業員に教育します。例えば、手袋の着用や手の洗浄を行った上での操作などが考慮されます。

　ただし、具体的な状況によっては、ドアの内部を製造場所として使用すること自体が衛生的に適切でない場合があります。その場合は、他の適切な製造環境の確保を検討することが必要です。

　重要なのは、HACCPの実施において食品の衛生状態を確保することであり、ドアの内部がその要件を満たすかどうかを評価する必要があります。衛生基準を遵守し、食品の安全性を確保するためには、最適な環境と対策を検討することが重要です。