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コラム

HACCPによる衛生管理(3)

2023年5月22日

テーマ:HACCP

コラムカテゴリ:ビジネス

物理的危害要因
 ここに示したものは、食品の異物混入の起因となり得るものです。
 皆さんの業務に関わっているものがいくつあるでしょうか。ほとんどのものに関わっていると思います。
 これらの管理が不足していたり、取扱いが不適切であると、物理的危害要因につながる恐れがあります。
 例えば、機械のメンテナンスがしっかりと行われていなかったら、製造中に機械のネジが脱落して製品に混入してしまうかもしれません。
 作業者が身に着けているものや携行品にルールが無く、各自の判断にまかせていたら、私物が食品に混入してしまう恐れはないでしょうか。
 異物混入は様々なものを起因として発生する恐れがあることをしっかりと認識しましょう。
 
 異物混入対策として、金属検出機や線検査装置を導入しているケースがありますが、それらの機器は完全ではありませんので、過信は禁物です。しかし、異物混入に対する管理レベルを高める装置ですので、最大限の能力を発揮させるために、機器の特徴を理解し、正しい条件で使用するようにしましょう。

HACCPとは
 HACCPの概要のまとめです。
 HACCPは、食品の衛生管理手法のひとつです。
 抜取検査による従来の衛生管理では、製造した全ての食品に対して異物の混入や微生物による汚染を保証することは困難です。
 一方、HACCP による衛生管理では、重要管理点での管理の状況を連続的に監視し、記録することで製造した全ての食品の安全性を保証する方法です。
 HACCPの考え方は、 1960 年代米国の宇宙食の安全性確保のための方法として開発され、 1970 年代には米国の低酸性缶詰の製造基準として取り入れられました。
 日本では1990 年代から食鳥処理場の衛生管理のガイドラインや一部の食品を対象にした承認制度として導入が図られてきました。
 現在では現在では多くの国においてHACCP に基づいた衛生管理が進められています。
 HACCPの取り組みは経営者や責任者だけでは、進められません。工場で働く全員で取り組んで効果を発揮するものです。
 導入に際しては、全員で取り組むことにより衛生管理の面だけでなく、組織力強化の側面での期待もあります。

この記事を書いたプロ

下裏祐司

事業と社員の成長を導く企業活性化コンサルティングのプロ

下裏祐司(株式会社飛泉)

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