HACCPにまつわるQ&A（4）

2023年7月31日

テーマ：HACCP

コラムカテゴリ：ビジネス

Q.HACCPにはフードディフェンスが必要なものですか？

A.はい、HACCPにおいてフードディフェンス（Food Defense）は重要な要素の一つです。フードディフェンスは、食品供給チェーンを意図的な脅威や攻撃から保護するための対策を指します。

　HACCPは、食品製造や加工業者が食品の安全性を確保するための手法ですが、それには外部からの意図的な脅威に対する防御策も含まれます。フードディフェンスは、食品に対する意図的な汚染、破壊、または不正行為から食品を守るためのプロセスや対策を構築することを指します。

　フードディフェンスの目的は、食品供給チェーン全体で食品の安全性と品質を保護することです。これには、以下のような要素が含まれます：

1．アクセス制御: 製造施設や倉庫に対する不正侵入を防止するため、物理的なアクセス制限を設けます。セキュリティシステムの導入や閉鎖回路テレビ（CCTV）の監視などが考慮されます。

2．スタッフのトレーニング: 従業員に対して、食品の安全性とフードディフェンスの重要性についてトレーニングを行います。不審な行動や異常な出来事に対する報告手順を確立し、従業員の意識を高めます。

3．原料および原料供給の管理: 原料の調達と供給においても、信頼性のあるサプライヤーとの取引や品質管理のプロセスを確立することが重要です。原料の盗難や不正な代替品の使用を防止するための対策を検討します。

4．生産設備の保護: 製造設備や生産ラインの保護を確保するため、不正アクセスを防ぐセキュリティシステムや適切なメンテナンスプロセスを導入します。

5．緊急事態対応計画: 食品の意図的な汚染や攻撃に対処するための緊急事態対応計画を策定します。これには、危機管理チームの組織、通報手順、情報共有などが含まれます。

　以上のような対策を実施することで、HACCPの枠組み内でフードディフェンスを適切に組み込むことができます。食品の安全性を確保し、外部からの意図的な脅威に対する保護策を構築するためには、HACCPとフードディフェンスの統合が重要です。