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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

運動も体内時計に影響?

2014年4月29日

コラムカテゴリ:医療・病院

体内時計による24時間周期のサーカディアンリズムをリセットするように働く要素として、よく知られるのは「光」と「食事」だが、「運動」にもリセット効果があるようだ。米国の研究グループ は、運動する時間帯に時計遺伝子の発現に変化が生じることを動物試験で確かめた。
 マウスを 12 時間光照射→ 12 時間暗闇というサイクルで飼育し、夜行性のマウスにとって、睡眠時間であるべき光照射の時間帯に2時間運動をさせ、時計遺伝子の発現リズムを調べた。すると、筋肉と肺で、運動をさせなかったマウスに比べて、2~3 時間ほど前倒しにシフトしていた。比較対照として、同じ種類のマウスで餌の時間を光照射中の4時間に限定して調べると、やはり筋肉と肺の時計遺伝子の発現リズムが前倒しにシフトすることから、運動が食事と同様の影響を与えていることが実証された。また、脳の視交叉上核の時計遺伝子の発現リズムには変化がなかったので、運動は、脳の「主時計」からは独立して、筋肉や肺の「末梢時計」に影響を及ぼしているということになる。
 時計遺伝子の多くは、エネルギー代謝の制御にかかわっている。「筋肉の時計遺伝子が運動の影響を受け、生物の活動時間帯に筋肉内の代謝を高めるというのは理にかなっている」と研究者らはコメントしている
 ところでヒトを対象とする別の研究では、1 日の中で時間帯を決めてトレーニングをすると、その時間の筋出力や運動パフォーマンスが上がることが確認されてい る。メカニズムは不明だが、時計遺伝子の働きがかかわっているのかもしれない。

 最近では細胞の一つ一つに時計遺伝子が組み込まれている?という様な事も分かって来ている様です。運動に様々な効用がある事は知られていますが、体内時計にまで影響しているとなると決まった時間に運動する事でそのパフォーマンスも上げることが可能ならこれは色々な場面で使えるかも?知れませんね!

この記事を書いたプロ

佐藤浩明

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佐藤浩明(さとうクリニック内科・消化器科)

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