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アダルトチャイルド(アダルトチルドレン)とは ~親子関係と「生きづらさ」~

2022年2月25日

テーマ:子育て

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 子育て悩み相談セルフセラピー


子育て感情トレーナーの高澤です。


あなたはアダルトチャイルド
という言葉をご存じですか?


一般的には
アダルトチルドレン
と呼ばれています。


略称はAC(エーシー)です。


幼少期に親との関係によって
心に傷(トラウマ)を抱え、
生きづらさを抱えた人のことです。


傷を与える家庭にあるものとは
たとえば

・虐待
・過保護や甘やかし
(別名「やさしい虐待」)
・過干渉やコントロール
・溺愛と言う名のペット化
・支配、威圧、強制
・DV
・条件付きの愛情
・触れ合い(愛着)不足
・物理的不在
・情緒的不在(いるけど関わらない)
・家族不仲で争いが絶えない
・冷戦
・依存症者がいる
・親が病気や障がい(子をケアする余裕がない)
などなど


細かく刻めば無数に挙げられますが、
一言で言うと・・・

*子どもの情緒的ニーズを
そこそこも満たせない親(家族)


のことです。


子どものニーズを満たせない家庭を
<機能不全家族>
と呼びます。


機能不全家族育ちのACには
共通する特徴があります。


たとえば

□自己肯定感が低い
□自分軸ではなく他人軸で生きる
□人からの拒絶や批判を過度に恐れる
□対人距離がうまくつかめない
□感情をうまく調整できない
□人の顔色をうかがう
□対人緊張が強い
□「ノー!」が言えない
□近しい人には過度に「わかって!」を要求
□本音や弱音を見せない・隠す
□他人の世話にエネルギーを注ぐ
□自己犠牲的になりがち
□人に頼みごとができない(ひどく苦手)
□承認欲求が強い
□相手を自分の期待通りに動かそうとする
(時にわかりにくい方法で)
□「弱い人」「可哀そうな人」を放っておけない
□自分を犠牲者の立ち位置に置きがち
などなど


これまた挙げるとキリがありませんが、
顕著なものに集約すると

①セルフイメージのゆがみ
②自分と他者の境界線が曖昧
③感情調整が困難
④フォーカスが「私」でなく「他者」



この状態で生きていくのは大変です。


なんとかしんどさを軽減すべく、
さまざまな自助努力をします。


なかでもACに特徴的な
役割
と呼ばれるものがあります。


それは子ども時代から
ずっと持ち越してきている
対処戦略です。


あなたにも当てはまるものが
あるでしょうか?


①ヒーロー
常に努力を怠らず、責任感が強く、
完璧を求める。

休むことができず、
失敗するとひどく自分を責める。

周囲からは
「できる子」「しっかりした子」
と見なされる。

この役割の目的は
・親の期待に応えて
・愛情の代替物「承認」を得ること


②スケープゴート
権威に歯向かい、怒りをぶつけ、
問題を起こす。

自ら「悪い子」というレッテルを
引き受けるようにふるまう。

この役割の目的は
・不仲な親の目を自分に向けさせ
・両親が協力できるようにすること


③ロストチャイルド
存在感を消し、
気づけばスッといなくなる。

主張せず、大人しく、
周りが気づかないことも。

この役割の目的は
・自分の存在感を消し
・傷つく目に遭うことを防ぐ


④クラウン
周りを笑わせよう、
明るくしようと振舞うピエロ役。

真剣なことも
おちゃらけて逸らそうとするが、
内側は繊細で悲しみに溢れている。

この役割の目的は
・場に少しでも笑いをもたらし
・家の冷えた空気を温めること


⑤ケアテイカー
いつもニコニコ、
周りを気遣って助け役を買って出る。

人にばかりフォーカスを当て、
自分のことがよくわからない。

この役割の目的は
・かわいそうな人(親)をケアして落ち着かせ
・自分の心の安定を図ること


こういった役割という
対処方略をつかって
わが家で生き延びようと努力する。


それが子ども時代のACです。


しかしこの対処方略が
のちのち甚大な生きづらさを招きます。







でもなぜ子育てのページで
こんな話題に触れるの?

そう思われるかもしれませんね。


その理由は、
こんな悪循環があるからです。


●機能不全家族に生まれ育つ

●その子はわが家でニーズを満たせない

●わが家に適応するために
役割を始めとした対処方略を身に着ける

●なんとかそれで生き延びることができる

●これが成功体験となり
そのまま「家族以外」の人間関係でも
同じ方略を使う

●家族外だとうまくいかず生きづらさを抱える

●大人になり、親になり、子を持つ

●持ち越してきた「うまくいかない」方略で
子育てに取り組む

●子育てがうまくいかない

●その子の情緒的ニーズも満たされない



その我が家に適応するために・・・ループ


こうして
世代を越えてこの連鎖がつづく。







この不幸の連鎖を断ち切るには、
「子どもをどう育てるか?」のその前に、

自分をどう育てなおすか?

が先なのです。


だからこそ
子育てと決して無関係ではないのです。


それもあって、
最近は子育てにばかり触れていましたが、
今回初心に帰ってアダルトチャイルドに
関する詳しいブログを書いてみました。

ぜひこちらのページでご覧ください。

この記事を書いたプロ

高澤信也

「子育て力」をはぐくむカウンセリングのプロ

高澤信也(カウンセリングオフィス トリフォリ)

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