コラム
葛根湯を上手に使う方法④〜寒さ厳しい山梨県民にお伝えしたい葛根湯の使い方【山梨 漢方 さわたや薬房】
2022年11月29日
今回で4回に渡りお届けしてきた寒暖差、寒さが厳しい山梨県民こそ上手に活用してほしい葛根湯についても最終回。
葛根湯は肩こりの薬でもないし、頭痛の薬でもない、自分の体力を消耗して熱を高めて寒気を追い出す漢方薬なので、1日3回30日などという長期連用を避けることはもちろん(カラダの疲労の原因に)
妊婦さんや体力低下しているお年寄りなどには向かないということもお伝えしました。
漢方の専門家の場合は体力低下い気味で葛根湯を使いにくい場合
僕らは基本的にそういう方には葛根湯は使わずにマイルドにカラダを温める、麻黄という生薬が入ってない桂枝湯などを使います。
体力を使って熱を生み出す葛根湯は服用すると体力を消耗することもあるので、肩こり等で病院で葛根湯1日3回30日、なんて処方箋を見ると漢方を知っている薬剤師さんがビックリしたりするのはそのためです。
ちなみに医療用のツムラの葛根湯の効能効果の最初には
『自然発汗がなく、頭痛、発熱、悪寒、肩こりなどを伴う、比較的体力があるもののの次の症状』
と言う風に書かれており、ちゃんと汗がでなくて、体力がある人に使いなさい、と書かれています。
他の漢方薬でも体力中程度、比較的体力が無いものの、などの表記がありますが、体力があるものの、とかいてあるような漢方薬は例外もありますが、自分の体力を使って不調を改善するタイプ、と思っておくと良いでしょう。
体力あるなしは普段の状態でなく、今の状況で判断します。プロレスラーのような人でも疲れ切って葛根湯が向かない時ももちろんあります。
その時の疲労感などで判断しますが、普段割と元気で、急に寒気がする、とき、寒気はするけど元気は元気、と言うときであれば大丈夫でしょう。
普段から病気がちで、疲れを感じている時、先程も言いましたが、お年寄りや妊婦さんなどは注意しましょう。
ちなみに家庭で風邪の時に活用してほしい漢方ですが、今お話したように葛根湯を使わないほうが良い時高熱、炎症がすでに起こっているときです。
寒気もしないし、炎症が起きて、熱が高い時にカラダを温める葛根湯を使ったらどうなるでしょうか?当然熱が高まりますので、炎症が悪化してひどくなることもあります。
簡単に言えば冷えピタや氷枕、氷嚢で冷やすと気持ちい風邪か?
温かいものを飲んで、布団をかぶって暖かくしたいような時の風邪か?で使い分けをすると良いと思います。
ちなみにすでに発熱していて、喉などが炎症を起こしているとき、寒気もしない時は
銀翹散という辛涼解表薬、の処方がおすすめです。
銀翹散のようなお薬には清熱作用と言って、炎症を鎮める、熱を冷ますような働きがある漢方薬を使って炎症や熱を沈めます。
すごく簡単な使い分けとしては寒気がして温まりたいような風邪の時は葛根湯。
すでに熱があったり、寒気がなくて喉の痛みがあるような時は銀翹散などが良いでしょう。
本当は細かく処方を選んだほうが良いのですが、応急処置的に使うのであれば、冷えて水のような鼻水が出る時は葛根湯、鼻炎の炎症が出ており、すでに鼻水が黄色や緑色っぽい、ドロッとした鼻水の時は炎症を沈めたほうが良いので、銀翹散のほうが、この2つしかなければ良いと思います。
家庭にそれほど漢方薬常備はできないので、こんな簡単な使い分けだけでもできると風邪のホントの初期にパッと使うと悪化を防ぐこともできるので、ぜひご活用ください。
ある意味、総合の風邪薬だと解熱鎮痛剤や咳を鎮める鎮咳去痰薬、鼻の症状を抑える抗ヒスタミン剤とすべて抑えるものは入っていますが、風邪の初期に多い、カラダの冷えを取り除くものは入っていません。
ぜひこれからの季節、ゾクッと寒気がしたら早めに漢方で対応したり、寒気はないけど喉が炎症起こしているなぁという早めのタイミングで漢方を活用することで、悪化を防ぐことができるとおもいます。
今月は葛根湯のご紹介兼ねて風邪をひいてしまった時の対処法をお伝えしましたが、一番は風邪を引かないことです。
カラダを冷やさない、汗をかいたあとは早めに着替えて冷えないようにするなど、疲れやストレスをためて免疫力を低下させないなど、できる予防もしっかりやりましょうね。
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ぜひこれからの風邪シーズン、漢方の知恵を活用して元気に乗り切っていただけたらと思います。
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