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コラム

国際結婚した日本人の夫/妻の氏の変更

2021年11月5日 公開 / 2021年11月11日更新

テーマ:国際結婚手続き

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 国際結婚 手続き

国際結婚の手続きの話。国際結婚を考えている人、国際結婚をしている人の知的好奇心を満たします。
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/5084001

今回は、
「 国際結婚した日本人の夫/妻の氏の変更」
です。

国際結婚した日本人と外国人の夫婦で、日本人の夫/妻が外国人の夫/妻の氏の変更ができるのか?できるとしたら、何か注意することがあるのか?の話をします。

「メルマガ第154回、2017.4.1発行、国際結婚後の戸籍と氏の変更」
をお届けしていますが、その拡大版です。
http://mbp-japan.com/tokyo/orimoto/column/1359935

下記に記載していることを、動画で話しています。




https://youtu.be/_U6tTgKObFM

こんにちは。行政書士の折本徹と申します。
今回は、国際結婚した夫婦で、日本人の夫や妻が外国人の妻や夫の氏へ変更できるのか?
できるとしたら、何か注意することがあるのか?の話をします。

まず、日本人同士が結婚する場合の民法第750条の夫婦同一の「氏」の規定は適用されないです。
ですので、結婚したからと言って、「氏」が同じになることはありません。

ただ、現実として、同一の「氏」ではないと不都合が生じることはあります。

戸籍法第107条2項では、外国人と婚姻をした者は、
その氏を外国人配偶者の氏に変更することはできる、
としています。
また、婚姻の日から6ヶ月以内であれば、家庭裁判所の許可を得ないで届け出することができる、
としています。
6ヶ月を超えてしまった場合は、家庭裁判所の許可が必要となります。
もともと、氏の変更については、家庭裁判所の許可を得ることが原則であり、
判断の際は「やむを得ない事由」があるか、ないか、となるようです。

表記ですが、現状の戸籍制度は日本語を使用していますので、変更した氏も日本語になります。
カタカナ表記が原則とされていますが、中国など本国でその氏名を漢字で表記する場合は、
日本語として正しい漢字を使用する、となっているようです。

ですので、外国人配偶者の氏が「Smith」の場合でも、
「スミス」と表示することになるので、注意が必要です。
また、国によっては、氏名が長い国があります。
その場合は、子に承継する氏、ということになっています。

まったく同じ、というわけではありませんので、注意が必要です。

また、特別永住者の夫と日本人の妻の夫婦で、
「夫の通称の氏に変更したい」という希望もあるようです。
例えば、
特別永住者の夫の氏が「金」さんで、
通称の氏として「鈴木」を永年使用と認められる程度に定着しているケースです。
そして、将来も使用を継続する場合ですが、家庭裁判所へ申し出て、その判断になるようです。

他にも、外国人の夫の氏と日本人の妻の氏を組み合わせて、
「日本人の妻の氏として表記したい」という希望もあるようです。
組み合わせて併記している国もあるので、
外国人夫の国に住む場合、「併記しないと都合が悪い」が理由に上がるようです。

例えば、
「福本」という日本人女性が、
「ロビンソン」というカナダ人男性とカナダで結婚し、
カナダで「福本ロビンソン」として登録された場合で、
家庭裁判所は諸事情を考慮して認めたことがあるようです。
このような氏の表記を結合氏と言っていますが、
どのような場合に認められるか?は、
まだ、定まった解釈はないみたいです。

以上のことから、
国際結婚した夫婦で、日本人の夫や妻が外国人の夫や妻の氏へ変更できるのか?ですが、
家庭裁判所の許可が必要な難しいケースもありますが、
「できる」と考えてよさそうです。

そして、少し、注意してほしいことがあります。
日本人と外国人との婚姻届があった場合、新しい戸籍を編製することがあります。
日本人が未婚の場合、親の戸籍から抜けて新しい戸籍が編製される、がわかりやすいです。
尚、日本人が戸籍の筆頭者である場合は、新しい戸籍が編製されるわけではないです。

ここで注意してほしいのが、日本人に子どもがいるケースです。
例えば、
日本人女性が日本人男性と結婚するも、その後、離婚。
離婚後、日本人女性が新しい戸籍を編製し戸籍の筆頭者になっているとします。
そして、外国人と結婚して、外国人の夫の氏に変更をしようとする場合で、
離婚した夫との間に子どもがいて、日本人女性の戸籍に同籍しているときは注意です。
つまり、子どもが母の戸籍に入っているときです。

この場合は、日本人女性は新しい戸籍が編製され、変更後の氏が記載されることになります。
しかし、母親である日本人女性の氏が変更しても、
子どもの氏は当然に変更しませんので、従前の戸籍に残ることになります。

例えば、
甲乙 桃子 さんが、スミスさんと結婚し、スミス桃子に変わったときです。
母親は、新しい戸籍が編製されます。
子ども、例えば、甲乙 桜さんでしたら、甲乙 桜さんは、従前の戸籍にそのまま残ることになります。

この場合は、子どもも「氏の変更をして同籍したい」という意思表示を示して、
手続きをすることになりますが、
子どもの年齢によっては、
「氏の変更をしてしまって良いのか、どうか」になりますので、少し注意が必要です。

今回は、国際結婚した夫婦で、日本人の夫や妻が外国人の妻や夫の氏へ変更できるのか?
できるとしたら、何か注意することがあるのか?の話をしました。

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