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深山州(みやましゅう) / マンション管理士

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コラム

自主管理マンションの良し悪し(2)

2014年5月2日 公開 / 2019年7月27日更新

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: マンション管理

こんにちは、マンション管理士の深山です。


前回のコラムで、自主管理マンションの最大のメリットは「管理費コストが安い」と書きました。

 駅やコンビニなどに置かれている「SUUMO」(リクルート出版、0円)を手にとって、
売り中古マンション情報を見てください。
マンション名から始まり外観写真、価格、間取り、専有面積・・・とあって、管理費のところに
『月額0,000円(自主)』と書いてあれば、そのマンションは「自主管理」であることがわかります。
しかも、たいていの自主管理マンションは「管理費の額が安い」のが目に付きます。

 他の(管理会社へ仕事を委託している)マンションでは、月額1万円とか多いと2万円近くまで
かかるところがほとんどですが、自主管理マンションでは月額5,000円程度、というところもあります。

 管理会社に仕事を依頼せず、自分たち住民が全てを切り盛りしていくと、当然ランニングコストは
安くなります。


 一方で、自主管理マンションにはリスクもあります。それは、

(1)管理費の取り扱い(出納や会計)から始まって建物維持のための計画策定、
理事会や総会開催の段取り、各種資料作成、管理員の雇用に至るまで、全てを住民が行わなければ
ならず、とても手間がかかる。

 ほとんどの自主管理マンションの場合、管理会社との契約を切って独立の道を歩みだした頃は、
所有者の年齢が30~40代と比較的若く、自分たちだけの運営もエネルギッシュにこなせます。
 ところが20年30年と経つと、当時の所有者は60~70代以上となり、また一部のマンション管理に情熱的
であった組合員がいなくなり、マンションの管理運営が停滞してきます。

 組合員の一人ひとりが「誰か」に依存し始めると、最終的には「自主管理=無管理」になるリスクを
秘めている、と言えます。
そのような状態のマンションが段々と増え、住民が高齢化したマンションでは
インターネットを活用した情報収集もままならず、無政府状態=スラム化へ進む危険性も高くなります。

(2)住民から集めた管理費や修繕積立金の取り扱いが一部の組合員に委ねられるため、
透明性に大きな不安が付きまとう。

 曖昧な会計処理はまだ良いほうで、役員による修繕積立金の使い込みなど、お金に関するチェック機能が働かないマンションでは、何千万円もの大金が消えてしまうリスクを含んでいます。

 近年では、管理業務の複雑さや透明性の大切さ、多少委託費を払ってでも楽をしたい、という考えが
主流となり、自主管理に変更するマンションは非常に少なくなっている、と見ています。

 「自主管理から管理会社への委託管理」へと変更する管理組合や、理事長をプロの第三者に任せて
抜本改革を図る管理組合も増えており、当社でも「管理者管理」のお問い合わせが増えています。


 完全自主管理でのマンション運営は、なかなか難しいのが現状のようです。


※当社の管理者管理サービスはこちら!

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