パソコンは性能(スペック)だけで選ぶと中身(仕様)の違いにまで気づかない

古賀竜一

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テーマ:専門家からの提言と考察

自動車ほど浸透していないパソコン選びへのこだわり

●自動車の場合、同じ排気量、同じ馬力、同じドア数でも全く同じ車というわけではありません。用途やスタイルによっても大きく違うことは周知の事実です。全く同じエンジンを積んでいても、ファミリーカーであったり、SUVであったりすることもあります。

●足回りも、タイヤやサスペンションなどは車の種類でかなりの違いがあります。今時のユーザーはある程度そのような違いについて、ネットで情報を得ることが可能で、知識が豊富な傾向にあります。自動車は趣味性やステイタスとしての価値という要素もあるため、こだわり方も人それぞれです。

●ところが、異なる車なのに同じエンジンを採用しているだとか、小一時間はうんちくを語れるのに、パソコンになるとほとんどの人はカタログスペックだけが頼りとなってしまうのではないでしょうか?

●結構パソコンに詳しいという人でも、一番わかりやすいCPUの名前や世代、周波数の数字、メモリ容量、ストレージ容量等で違いを判断している程度で、それらが同じならば同等のパソコンと認識してしまうような傾向にあります。

●ブルーレイ対応とか液晶モニタのサイズなどその他の部分の差異もある程度わかるとしても、それ以外の部分の判別がほとんど出来ていません。ですから決め手としてはメーカー名と価格になてしまうことが大半ではないでしょうか? しかし、今時のパソコンは、富士通やNECを選んでも結局はLenovo製ということになってしまうわけで、そこで、残るのは値段勝負。安さで選択してしまうことになります。

●これはメーカー側のある程度の策略もあります。わかりやすい情報(スペック)だけ大きく取り上げて、他と違いはないですよ・・といっておきながらわかりにくい部分で差を付ける(チップセットやグラフィックス、画面の画素数、USBの数や仕様など)というのが慣例化しています。

●自動車ではあんなにこだわって違いを比較し、予算を多少オーバーするような無理をしてでも自分の好みに合ったものを選ぶはずです。しかし、パソコンはよくわからないからというので、値段勝負。安ければ何でもいいというようなことに陥りがちです。それだから買ったばかりのパソコンが「このパソコンなんでおそいの?」と文句が出てくるあたり、やはり値段以外の違いには気が付いてはいません。



パソコン選びは性能の他、「仕様」を重視する

●できればパソコン選びも、チップセットやグラフィックスの能力、トータルバランスなどで判断をしてほしいものですが、専門的な内容になればなかなか理解が難しいのは仕方が無いかもしれません。

●パソコンには通常のデスクトップPCやノートパソコンに加えて一体型PCやミニPC、モバイルPC、タブレットPCなど様々な種類があります。形に明らかな違いがあるもの以外は一般ユーザーが仕様や内容まで区別するのは難しいかもしれません。なので、時にはまったく用途にそぐわないものを購入してしまったりする人もいます。価格だけで選んでしまうと、安いものには必ず理由があるし、最新型だからといっていいことばかりでありません。

●一番わかりやすい例として、一体型PC(画面とパソコン機能が一体になっているPC)や小型のminiPCの購入でよくある間違いです。CPUを高性能なCore i7で選んだから性能には問題ないと思っている場合があります。ところが、デスクトップPCであっても一体型PCやミニPCの多くは、仕様的にモバイル用パーツが採用されているパターンが非常に多くなっています。

●モバイル用の仕様はすべてがノートPCと同等で、デスクトップ用の仕様より性能が落ちます。パフォーマンス的にデスクトップPCの性能に期待していた場合、人によっては選び方が「失敗」になっていることもあります。

●ノートパソコンでも同様のことがあります。形こそノートパソコンですが、実はタブレットPCと共通の仕様になっている場合があります。要するにタブレットPCと同じ、すべての内蔵デバイスがオンボードになっているノートパソコンが出回り始めているのです。そのようなノートパソコンは、メモリやSSDなどの内部パーツの換装やアップグレード、増設ができない構造になっています。また、超低消費電力仕様となるので、ノートパソコンより性能も低くなります。特に型落ち品ではその分価格は安くなります。

●ストレージも、安いPCは新品でもSSDで128GBというモデルがあります。データをよくため込んでしまうユーザーにとっては全く足りない容量です。



自分の判断を放棄すると人にいいようにされてしまう

●先日、最新型のノートパソコンを購入したので初期セットアップをしてほしいという依頼がありました。業務でCADを使う用途ということでしたが、無線LANは内蔵型ではないしディスプレー解像度が1,366という低いものでした。とても業務でCADを使える仕様ではありません。どういうわけでこのようなものを購入したのかお尋ねしたところ、家電店の店員さんに勧められるまま購入したということなのです。

●家電量販店の店員さんはみんながパソコンに詳しいとは限りません。それか、実はメーカーから販促のために派遣されてきた人だった可能性もあります。そういう人にあたると在庫を一掃したいということで在庫整理品をつかまされてしまうことがあります。

●中には店都合で型落ちパソコンを勧めたり、ついでに必要のない付属品やセキュリティーソフト、サポートサービス購入を強引に勧めてくることもあります。最近のサポートの実例ではFUD手法で月々1万円の3年縛りがある保守サポート契約を結ばされていた方もいました。パソコンが安く買えた分、お得に感じてしまうところを狙っているわけです。

●月々1万円とはいっても3年では36万円ですよ!!サポートが付いてくるからお得とかいうレベルの話じゃなくて、パソコンがもう2台買えてしまうというヤバい話なんです。でも、最近ではネットでたびたびこのような話題が炎上したりするため、賢いユーザーはそろそろ格安PCや広告の中古PCの落とし穴にも気が付き始めています。

●「なんでもいいから安くて性能が良いパソコンください」・・というような買い方をすると「それじゃ、基本性能は同じだけどこの型落ちで解像度が低い、MSでないOfficeでメモリ増設不可の仕様省略の廉価版で良いですね」と同じ意味になってしまいます。

●まともなパソコンが欲しい場合には、パソコン選びにもある程度のこだわりは必要です。また、専門家に尋ねることで自分にピッタリなパソコンを購入することができます。

筆者の実績 :http://www.kumin.ne.jp/kiw/#ss

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古賀竜一(システムエンジニア)

九州インターワークス

ITのユーザーサポートの現場で実際に問題を解決しながら、ITの最新の状況とその問題点を追及している専門家です。多様で複雑になってきたITのことをユーザーにわかりやすく丁寧にお伝えします。

古賀竜一プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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