高齢者自粛要請が出たことについて思うこと

2022年7月29日

テーマ：脳トレ、認知症予防

コラムカテゴリ：スクール・習い事

コラムキーワード：認知症予防、ボーカルトレーニング、ボイストレーニング

日々の感染者数の増加を見るとやっぱり「ああ怖い」と思うか
「いやいやもうそんなこと気にせず好きなようにしたい」と思うか
思いはそれぞれですね。

大阪では「高齢者自粛」の要請が出たとか。
高齢者はもしも感染した場合、重症化しやすいからだと思いますが
色々と感じることはあります。

2020年の5月の連休あたりやそれから続くステイホームの期間に
同居している母（80代）が弱るのが目に見えてわかったので
何か元気ができることはないか？と考えて動画に出てもらったり
歌を吹き込みました。

本人は「そんな急に言われても・・・・」と言いながらも
まんざらでもない様子で、楽しく歌って。
その後も何度か動画に撮り、今度は「ビートルズの歌を英語で歌おうかな」と
それを目標にしています。
母の楽しみは合唱や歌のクラスへ行って
人と会話することだと思います。
それは「自分が好きなこと」を学べる場所であり、同じようにそれが好きな人が集っているわけで
話が楽しいのです。

やっぱり「人と会えない」ということは高齢者にとっては
様々な機能をじわじわと衰えさせる原因になると思います。

そしてやっぱり「歌」ってすごいな、と思う。
歌うと気持ちがスッとしませんか？
講師として前に立つ私も講座が始まる前はワクワクしますが
体調がちょっと悪かったり、気分がもう一つの時もあります。
それでも途中からメキメキと元気になり
帰りはもうかなりハイテンションです。

ある方から電話をいただきました。
プライバシーの問題があるのでやんわりと修正していますが
「先生、昨日講座に行こうと思ったのだけど、バスに乗ったらどこで降りたらよかったか
忘れてしまいました。ごめんなさい。」というお電話でした。

「最近少し記憶がね・・・・」と言われたのですが
「じゃあ次回、またお待ちしていますからね。気にしないでね」と言って切りました。
ショックでしたが、ご本人のショックは計り知れないです。

2020年の春からのこのコロナ禍で生活がおかしくなってしまって、
普通の生活がままならないことでの
影響が出てきているように感じています。
なるべく普通通りに過ごすことが大事ではないでしょうか？
もちろん感染の対策は必要です。そこはちゃんと守りながら。

これをすれば絶対に認知症にならないってことはないけれど
やっぱり「好奇心」とか「刺激」って大事で
「習い事に行ってみる」「何かに参加してみる」「歌いに行くこと」でその道中のこと、
行ってからの様子、歌、軽い脳トレ、感動、興味、人との挨拶、ちょっとした会話。
そういうことの積み重ねは脳の色々が衰えるスピードを少しゆるくしてくれるかもしれないです。

これは私の経験で感じることですが
高齢者の施設に行くと「声」について両極端だな、と思うのです。
多くの人は「声が出にくい」ことと「とても低い声になってしまっている」という感じで
声の質も太く、低くなってしまっている場合。

また、逆にとにかく何も気にせず歌えるからか高い声がヒュウヒュウと出る方が多い場合も。
高い声が出ない、というのには「心のガードがかかっている」ような時もありと感じる。

自然な歌い出しの声の高さ。
これはきっと調査していくと面白いと思いますね。
何か一つの曲、誰でも知ってる歌を伴奏なしで自然に歌ってもらう。
そして、その最初の歌い出しがどのぐらいの高さになるかの統計をとる。
こんなこともやってみています。

早く自由にもっともっといろいろできるといいな。