科学と基準
離婚事件が後を絶ちません。
この離婚の大きな原因の一つに、「言葉の荒れ」「言葉の暴力」があるように思います。
夫が妻を責める言葉、妻が夫を責める言葉。
それが日常の言葉になっていくときは、もう破綻しかありません。
人は簡単に怒り、そして簡単に責めます。
ここには、感情でしか思考できない幼児性が見られます。
「責めることはできて労いたわることのできないのが人間の悲しさ」と、小説家の山岡荘八は言いましたが、この人間の悲しさは、意識的に、知恵と理性と人間としての成熟で、乗り越えねばなりません。
その方法は、言葉にすることです。
それは、労りの言葉です。
責めたいと思ったら、まず労りの言葉を使ってみるのです。
「お前には、苦労をかけているなあ」でも、「今日は疲れただろう」でも、「ご苦労さん!」でも、何でもいいんです。
それが、日常生活の中で出てくると、人は変わります。
おそらく離婚が急激に減っていくのではないかと思います。
いつの時代になっても、熟年を過ぎた人からの離婚相談があります。
そういう人の多くは、意識し、努力し、相手を労る言葉かけが求められている人のように思われてなりません。
労りの言葉と、労りの心は、大切にすべきだと思います。



