11 詩化
「男にとっては貧困が、女にとっては売春が、子どもにとっては暗闇が、この世にある限り、本書は読み続けられるであろう。」
これは、50年以上も前に、私が初めて読んだ小説らしい小説『レ・ミゼラブル』の序文の冒頭に書かれていた言葉です。
現在版では「(前略)貧しさにより男が落ちぶれ、飢えにより女が身をもちくずし、子どもが肉体的にも精神的にも暗い環境でのびのびと成長できないという――三つの問題が解決されないかぎり(中略)この世に無知と無慈悲が残っているかぎり、本書のような作品の価値は失われずにいるだろう。」(永山篤一訳『レ・ミゼラブル』、角川文庫 2012)と書かれています。
爾来、私は言葉に惹ひかれ、言葉を知るため、大いなる努力を払ってきました。
それにより私は言葉を知ることの意義の大きさ、効果の大を、身に染しみて知ったのです。
まずは仕事の上で、そして対人関係で、さらにあらゆる場面でそれを実感したのです。
かくして言葉は、私にとって、大切にしたいものの一つになったのです。
(これは新著「大切にしたいもの 言葉とロータリーと生き方」に書いたもの(平均1000文字)を300文字前後に簡略化したものです。詳しくは、新著をご覧ください。)



