12 箴言
私は、先般、新著「大切にしたいもの 言葉とロータリーと生き方」を、山陽新聞社から発刊していもらいました。
全95編からなるコラム集です。
その内容は各コラムを約1000文字で書いたものですが、ここではこれらのコラムを、3分の1程度の文字数に要約して、紹介したいと思います。
コラム1 講演の秘訣と本書発刊の目的
吉川英治の『美しい日本の歴史』(吉川英治全集47『草思堂随筆』講談社、1970年)には、菊池寛のいう「講演の秘訣」が引用されています。
すなわち、「講演は、挿話で喜ばせてから主旨を呑み込ませること」が大事だという部分です。
そこで私は、この菊池寛の言う講演の秘訣に倣って、本書のコラムには挿話を加えることにしました。
しかし、挿話を加えたからといって講演が上手にできるわけではありません。
講演には「当意即妙の才」と「軽妙洒脱なユーモアのセンス」が不可欠ですが、私にはそれが欠けており、講演はうまくはありません。
さて、本書は、私が55年の弁護士人生と40年以上のロータリークラブ活動で得た教訓を、「言葉」「ロータリー」「生き方」の三章に整理して書いたものです。
方法としては、各コラムに物語的挿話(ナラティブ)をもたせ、またチャーチルの「伝えたいことは紙一枚に書け」と言った言葉に従って、1コラムを1ページ内に収めています。
これにより、短く端的に伝える言葉の大切さを、私自身が強く実感したものです。
本著「大切にしたいもの(増補版)」は、2021年にロータリー関係者向けに刊行した『 大切にしたいもの 言葉とロータリー』を改訂・増補したものです。
初版が思いのほか好評だったこと、さらに自分の見解を付け加えたいと思ったことから、初版を見直したうえに、新たに「生き方」の章を加えて発刊する運びにしたのです。
読者の皆さまに、何か一つでも心に残るものをお届けできれば幸いと思い・・・



