ロータリー18 多様性は、包容力ないし開放性の一つの発現形態
離婚事件が跡を絶ちません。新婚直後の離婚があり、婚姻10年前後の離婚があり、20年前後の離婚があり、子育ての終わった熟年離婚があり、はては80才を過ぎての離婚まであるという始末です。この離婚の大きな原因の一つに、“言葉の荒れ”“言葉の暴力”があるように思います。夫が妻を責める言葉、妻が夫を責める言葉。それが日常の言葉になっていくときは、もう破綻しかありません。人は、簡単に怒り、そして簡単に責める。
ここには、感情でしか思考のできない幼児性が見られます。
「責めることはできて労(いたわ)ることの出来ないのが人間の悲しさ」と、山岡(やまおか)荘(そう)八(はち)は言いますが、この人間の悲しさは、意識的に、知恵(ちえ)と理性(りせい)と人間としての成熟(せいじゅく)で、乗り越えねばなりません。その方法は、言葉にするのです。それは、労(いたわ)りの言葉です。責めたいと思ったとき、まず労りの言葉を使ってみるのです。「お前には、苦労をかけているなあ。」でも、「今日は疲れただろう。」でも、「ご苦労さん!」でも、何でもいいんです。それが、日常の言葉に出てくると、人は変わります。おそらく離婚が急減に減っていくのではないかと思います。今日も、熟年を過ぎた人からの離婚相談を受けました。
意識し、努力し、相手をいたわる言葉かけが求められる人でした。
労りの言葉と、労りの心は、大切にすべきだと思います。