言葉11 英国王の吃音を治した男の話
“男にとっては貧困が、女にとっては売春が、子どもにとっては暗闇が、この世にある限り、この小説は、いつまでも読み続けられるであろう。”
この一文は、私がはじめて読んだ、小説らしい小説、ビクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」の「序」の冒頭に書かれていた言葉です。
爾来私は、言葉に惹かれ、言葉を知るため、大いなる努力を払ってきました。それによって、私は、言葉を知ることの意義の大きさ、効果の大を、身に染みて知ったのです。まずは仕事の上で。対人関係で。あらゆる場面で。それを実感したのです。かくてして言葉は、私にとって、大切にしたいものの一つになったのです。
ですから、本書「大切にしたいもの」の第1章にもってきたのが、「言葉」なのです。