2021/02/20 “歓楽の後に哀寂多し”にはならないよう
2021/06/07 アメリカと中国を比較したデータ
本日付の読売新聞 「 地球を読む 」 に書かれていた、国際政治学者ジョセフ・ナイさんの論説は、非常に面白いものであった。
米中に関する、力の均衡を書いたものだ。
面白いと思った点は、
(1)地政学上の優位性がどちらにあるか?
ジョセフさんいわく。米国は、四方を海と友好国に囲まれているが、中国は、インド、日本、ベトナムなど14の国と国境を接していることからみて、地政学的優位性はアメリカの方にあると言われる。
(2)エネルギーの確保の点
米国は、長い間、エネルギーを輸入に頼っていたが、10年前のシェール革命によって、エネルギー輸入国から輸出国へ転換した。一方、中国は、中東からのエネルギー輸入に頼る程度が高くなっている。
であるから、この点に関しても、アメリカの方が中国より有利である、といわれる。
(3)人口動態について、
米国の人口増加率は、近年下がってはいるが、ロシアや欧州や日本のようにマイナスに転じることはない。一方、中国は豊かになる前に老いてしまう恐れに直面しているうえ、人口世界一の座はまもなくインドにとって代わられる。という比較で、米国に優位性があるといわれる。
(4)バイオ、ナノ、情報など先進技術の比較
21世紀の経済成長でカギとなるバイオ、ナノ、情報など先進技術に関する、世界の大学の研究実績ランキングの上位20校中、アメリカは15校を占める。一方、中国は、研究開発に集中的に投資し特定の分野では競争力はあるが、大学の研究実績ランキングの上位20校の中には1校も入っていないので、アメリカに優位性があるといわれる。
以上、ジョセフ・ナイさんの論説には、異論もあるとは思うが、データーを知識として知っておく意義があることと、着想の面白さがあるので、ここに記しておきたい。