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2021/01/20 フィルターバブル (filter bubble)

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テーマ:菊池捷男のガバナー日記

2021/01/20 フィルターバブル (filter bubble)

本日、アメリカに新しい大統領が生まれた。
まずは、祝意を表したい。
そのアメリカの大統領になったのは、ジョー・バイデン氏であるが、今年の1月6日、すなわちバイデン氏の大統領選挙結果を確定するための連邦議会が開かれた日、連邦議会がトランプ支持の人たちにより占拠され死者5名を出すという前代未聞の事件が起こった。
その人たちによる議会の占拠は、前大統領のトランプ氏が、去年の11月にあったアメリカ大統領選挙ではトランプ氏が勝ったが、投票用紙が盗まれた結果負けてしまったと発言したこと、および、トランプ氏が支持者に対し1月6日に議事堂に向かうよう呼びかけたことが原因であったという。
私は、このニュースを耳にしたとき、最近耳にしたことのある「フィルターバブル」という言葉を思い出した。
すなわち、フィルターバブル (filter bubble) とは、「インターネットの検索サイトが提供するアルゴリズムが、各ユーザーが見たくないような情報を遮断する機能」(フィルター)のせいで、まるで「泡」(バブル)の中に包まれたように、自分が見たい情報しか見えなくなる心理状態をいうようだが、今回の議会を占拠した人たちの多くも、トランプ氏の言葉しか聞こえなくなった人たちなのだろう。
私のこの思いが正鵠を射たものならば、この現象は、現在のインターネット時代の一つの病理現象というべきものなのだろう。
「賢者は、自分とは異なる意見の中に、傾聴すべきものを見いだし、賢者にあらざる者は、自分とは異なる意見を、嫌悪する。」という言葉や、「賢者は、エビデンスを基に意見を述べ、賢者にあらざる者は、利用可能なバイアス(偏見)を基に意見を述べる。」という言葉が、先人によって語られている。この言葉を、今いちど噛みしめたいものだ。
なお、「フィルターバブル」という言葉は、2011年にEli Pariserという人物が作ったものとされている。

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