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被相続人30年改正法は、
第1014条の2項である、
「遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言(以下「特定財産承継遺言」という。)があったときは、遺言執行者は、当該共同相続人が第899条の2第1項に規定する対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。」という規定を追加しました。
この規定は、遺産分割方法の指定としての特定財産承継遺言がある場合の、遺言執行者の権限が明確でなかったことから、その権限を明確にしたものです。
すなわち、判例(最高裁平成3年4月19日判決)は、遺産分割方法の指定遺言がある場合は、遺言者(被相続人)の死亡により遺言の効力が発生すると同時に、当該財産は当該相続人に帰属する、と判示したものの、遺言執行者には何ができるのかを明確にしなかったところから、実務に混乱が生じ、遺言執行者には相続登記をする権限すらないという登記実務の扱いまで生じましたので、平成30年改正で、遺言執行者には登記登録の権限があることを明らかにしたのです。