遺言執行者⑭遺留分減殺請求先に要注意
Q 私は,認知されていない子です。実父が亡くなり2年になろうとしていますが,私には,相続権はないのでしょうか?また,相続権があるとした場合は,誰に,どのような請求ができるのでしょうか?
A
1,相続人になる前提の認知
実子であっても,婚姻関係のある男女間に生まれた子(嫡出子)でない子は,認知を受けないと実子(非嫡出子)としては認められません。認知は,実父が生きている間及び実父が死亡した日から3年以内なら,訴訟を起こし裁判所に親子関係が認めてもらことで可能です(民法787条)。
2,遺産分割に参加することが可能
認知を受けた時までに遺産分割が完了していない場合は,認知された非嫡出子は,遺産分割に参加できます。
3,価額請求が可能
既に遺産分割が完了した後で認知された場合は,遺産分割の請求はできず,自分の相続分に見合う価額を、他の相続人らからお金で払ってもらうことになります(民法910条)。これを価額請求といいます。
4,価額請求の基準額
認知を受けた非嫡出子が請求できる価額は,相続開始時を基準に具体的相続分を算出し,遺産分割を受けた相続人に対し,各相続人の相続分又は現に遺産分割で取得した財産の割合(この割合による価額の基準時は価額請求の時です。)で,価額の請求ができることになります。