不動産 公図の歴史
Q 当社は,宅建業者です。先日,当社は,当社が所有している土地を,Aという個人に,1000万円で売買する契約を結びました。しかし,その後,Aから,土地には隠れた瑕疵があるなどと苦情を言われた末,売買代金を900万円にしてくれるなら以後苦情は言わないと言われましたので,そうしようと思っています。
その場合,①Aとの最初の売買契約を解除して新たに900万円で売買契約を結び直すか,➁Aとの売買契約を解除せず100万円を寄附することにして,実質的には売買代金を900万円と定めるか,どのような形で,契約を結ぶのがよいでしょうか?
むろん,その際は,Aから,今後は瑕疵の主張をしないという約束はしてもらうつもりです。
A 最初の売買契約を合意解除して,新たに売買代金を900万円とする売買契約を結ぶべきです。
最初の売買契約を解除しないで,100万円を寄付する名目で,売買代金を900万円にする方法は,賢明なやり方ではありません。
寄付金は,税務上損金として処理できないため(あるいは制限があるため十分な損金処理が出来ないため),➁を選択した場合は,土地の売買代金1000万円が売上計上され(益金処理)ながら,100万円が損金処理されないことになるからです。
なお,最初の売買契約を解除しないで,貴社が,瑕疵担保責任のあることを認め,その損害賠償として100万円を支払う約束をして,それを売買代金1000万円から相殺による控除をし,Aから支払を受ける金額を900万円のする方法もあります。