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コラム

遺言書を書かない場合の遺言書の書き方➁  債務免除

2014年8月3日

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 遺言書 作成遺言書 書き方

Q 
 昨日のコラムで,生前贈与について持戻し免除の意思表示をしておくことの必要を教えられましたが,私は,長男に,事業資金を貸しており,長女にも,マンション購入のときの頭金を貸しているのですが,これも持戻し免除の対象になるのですか?持戻し免除の対象にならないとすれば,どうすればよいのですか?

A 
1,債務免除 + 持戻し免除の意思表示をしておくこと
 持戻しが免除できるのは,生前贈与と遺贈だけです。
ですから,遺言書に,生前贈与につき持戻しを免除すると書いても,あなたからお金を借りている長男,長女とも,その金銭債務の支払義務は免れません。
 その金銭債務が存在する限り,その存否,金額について争いが起こる可能性は残ります。
 しかし,あなたは,遺言書で,債務免除はできます。
 債務免除をすると,債務者であるあなたの子の債務は消滅しますので,債務の存否や金額について争いが起こることはなくなります。
 ただ,注意すべきは,債務を免除すると,その利益(免除益)は,遺贈を受けたのと同じことになりますので,それについても持戻し免除の意思表示をしておく必要があります。

2,遺言文例
生前贈与を含めた,持戻し免除の意思表示の遺言文例を書いておきます。

「一 私が,生前,妻や子に贈与した財産又は妻や子の名義にしている財産は,それぞれ贈与を受けた者又は名義人に与えた財産であり,遺産分割の際,その財産については,持戻しを免除する。
 二 私が,妻や子にお金を貸している場合は,彼らの債務はすべて免除する。その免除益についても,持戻しを免除する。
 三 相続人らは,前二項に書いた財産以外の財産についてのみ,仲良く,法定相続分に従って,遺産分割をすること。」

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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