相続と登記 9 遺留分減殺請求と登記
平成25年12月5日に民法の改正がなされました。
民法900条4号前段の「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の1/2とする」との規定が削除されたのです。
これにより、婚外子(非嫡出子)と嫡出子とは、相続では、平等の権利を取得することになりましたが、この民法改正は、同年9月4日の最高裁大法廷決定が、婚外子と嫡出子とを差別する前記規定は憲法14条1項の法の下の平等原則に違反し無効である、と判示したことによります。
では、いつの相続から、婚外子と嫡出子とを平等に扱うのか、ということになりますが、これについては、前記最高裁決定が、次の基準を明らかにしました。
① 遅くとも平成13年7月当時において前記規定は憲法14条1項に違反していた。
② したがって、それ以後開始した相続、あるいは開始する相続に関しては、婚外子と嫡出子とは、同等の相続権があるものとして遺産分割をすべきである。
③ しかしながら,平成13年7月以降開始した相続であっても、その後遺産分割が完了しているものについては、法的安定性を保護するため、やり直しを求めることはできない。
という基準です。