相続税のお話し 7 代償分割に潜む落とし穴
Q 「相続ノート」23頁には、債務は、相続人が、それぞれ、法定相続分に分割された金額を相続するのだと書かれていますが、賃料債務も分割で支払うことになるのですか?
A いいえ。賃料債務は不可分債務ですので、相続人全員につき、全額支払う義務があります。
たしかに、借入金などの債務については、相続人がそれぞれ法定相続分のみ支払えばよいので、例えば、相続人は、妻と長男と長女の3人、債務の額が100万円であるときは、妻は法定相続分が1/2なので50万円、長男と長女はそれぞれ法定相続分が1/4なので、それぞれ25万円ずつ支払えば良いのですが、賃料債務は、不可分債務です(大審院大正11.11.24判決)ので、全相続人は、全額について支払う責任があります。