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使用者のための労働問題 14 労働審判は便利④

菊池捷男

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4労働審判をする主体
これは労働審判委員会です。労働審判は、地方裁判所でしますが、「裁判所は、労働審判官1人及び労働審判員2人で組織する労働審判委員会で労働審判手続を行う」ことになります(7条)。なお、「労働審判官は、地方裁判所が当該地方裁判所の裁判官の中から指定する」(8条)ことになっており、労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから任命されますが(8条2項)、労働審判員2名のうち1名は労働者側から、具体的には、連合、全労連、全労協という全国労働組合組織の構成比率に応じて、労働組合の幹部、執行委員であるか、あった人が選任され、他1名は使用者側、具体的には、日本経団連が各都道府県の会議でとりまとめて最高裁に推薦した名簿の中から選任された、企業の人事部長等人事経験者がなっています。なお、労働審判員は、選出された母体にかかわらず、当事者の一方に偏らない「中立かつ公正な立場において、労働審判事件を処理するために必要な職務を行う」ことになります(8条1項)。この点は、都道府県労働委員会や中央労働委員会の委員とは違います。
労働審判手続は、労働審判官が指揮します(13条)が、労働審判委員会の決議は、過半数の意見によってなされます(12条)。

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菊池捷男(弁護士)

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