遺言執行者観に関する謬説がなくなるまで①
一二・・・ の○日前に
これは期間を逆算するときの用語です。
例えば、会社法299条は「株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。」と規定していますが、この場合の「株主総会の日の二週間前」はいつから数えるのでしょうか?
その数え方については、直接の規定はありません。
民法138条ないし143条の期間に関する規定は、将来に向かう期間に関する規定だからです。
しかしながら、過去にさかのぼる場合の期間の計算方法についても、これらの規定が類推適用されると解されていますので、民法140条の初日不算入の原則が採用されることになります。
また、民法141条の「期間は、その末日の終了をもって満了する。」という規定の適用も受けることになります。
そのため、旧商法の時代の判例ですが、「株総会の招集通知書を発した日の翌日から起算して会日までの間に少なくとも二週間の日数を存することが必要だと判示しているのです(大審院昭和10年7月15日判決)。
すなわち、例えば、平成23年8月31日に株主総会を開く場合は、遅くとも、株主総会会日の前日である8月30日から数えて2週間目である8月16日の前日である8月15日には、株主総会招集通知書を発送しておく必要があるのです。
参照:
民法140条 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、・・・
民法141条 前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。