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相続相談 7 共働きの妻の寄与分 

2012年7月5日 公開 / 2012年8月15日更新

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

Q 先日、夫が、遺言書を残すことなく、亡くなりました。すると、それまで、全く付き合いの無かった甥から、夫の財産の1/4については、甥に相続権があるので、遺産分割をしてくれと言ってきました。
実は、私と夫は、共に、学校の教師をしていたのですが、私の収入を、生活費にあて、夫の収入を預貯金にし、不動産を買ったりしていましたので、夫の財産は、結構な評価額になっていますが、私名義の財産はありません。この場合でも、甥には、夫名義の財産の1/4を相続する権利があるのですか?
なお、夫の相続人は、妻の私と甥だけです。

A 
⑴ 遺言がない場合で、相続人が妻と兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっていたときは、甥・姪)のときは、妻の法定相続分は3/4、兄弟姉妹(甥・姪)の法定相続分は1/4になります。
⑵ しかし、妻に寄与分があるときは、夫名義の相続財産から寄与分が控除され、控除後の相続財産を、妻3/4、兄弟姉妹(甥・姪)1/4が取得し、妻はそれに寄与分が加算されます。
⑶ 夫婦が共に働いて築いた財産が夫の名義になっているときは、妻に寄与分が認められます。
⑷あなたの場合、その寄与分が「相続ノート」45ページの審判例のように、50%あるとするとして、計算すると、妻は7/8、甥は1/8の割合になります。
⑸ ですから、この場合だと、ご主人の甥は、法定相続分1/4ではなく、修正された相続分(具体的相続分)1/8の金額になります。
「相続ノート」20ページと45ページを参照下さい。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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