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相続相談 5 次の遺言者は有効か?

2012年6月26日 公開 / 2012年8月15日更新

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

Q 
遺言書があります。遺言書には1項で「遺言者はすべての財産を子Aとその夫B及びAB間の子CDに相続させ又は包括遺贈する。」2項で「前項の相続人および受遺者の相続分は、右4名の遺産分割協議をもって定めるものとする。」3項で、「遺言者は、この遺言の遺言執行者としてBを指定する」と書かれています。この遺言書は有効ですか?

A 
有効です。
この遺言書では、遺言者の財産を、相続人であるAと相続人ではないBCDの4名に承継させようとする遺言者の意思が明白です。
相続人Aは、当然、相続人として遺産分割に与ることができます。
受遺者であるBCDは、包括受遺者ですので、民法990条で相続人と同様の権利義務を有しますので、これまた、遺産分割に与ることができます。
遺言者は、この4名の協議で、相続人Aと受遺者BCDの、取得割合や取得財産を決めることを委託していますが、相続分の指定や遺産分割方法の指定の委託は、民法に明文の規定があります。遺贈の委託については、明文はありませんが、最判平5.1.19は、受遺者が限定されている場合は、遺贈の委託も認めています。
以上から、この遺言者は、ABCD4名の間で遺産分割協議が整う限り、有効と考えられます。
「相続ノート」76.77ページを参照して下さい。

なお、ただ今、書店では「相続ノート」が売り切れになっております。7月上旬には初版第2刷が発売されます。暫くお待ち下さい。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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