交通事故 25 後遺障害③ PTSD(心的外傷性ストレス障害)
1 3車両の過失が競合した場合
例えば、甲車の運転者の過失3、乙車の運転者の過失4、そして被害者の過失3の場合の責任は、誰がどれだけ負うのか?
2 最高裁判所の判断基準
最判平15.7.11は、1の例のように、複数の加害者の過失及び被害者の過失が競合する1つの交通事故において、全加害者と被害者それぞれの過失割合(これを「絶対的過失割合」という)が認定できるときは、被害者に対してなされる過失相殺は、被害者の過失割合分だけであり、残りの割合分については、複数の加害者に対し、それぞれ全額を請求することができる旨判示した。
したがって、1の例の場合は、被害者は、自己に生じた損害のうち7割に相当する金額を、甲車の運転者と乙車の運転者に対し、請求できることになる。甲車の運転者と乙車の運転者は、共同不法行為者として、被害者に対し(不真正)連帯債務を負担することになる。