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交通事故 12 逸失利益③ 労働能力喪失率と労働能力喪失期間

菊池捷男

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テーマ:交通事故

1 労働能力喪失率
原則として、労働省労働基準局長通牒・別紙労働能力喪失率表(昭和32.7.2基発551号)による。
1級から3級までは100%、
4級は92%、
5級は79%、
6級は67%、
7級は56%、
8級は45%、
9級は35%、
10級は27%、
11級は20%、
12級は14%、
13級は9%、
14級は5%である。
ただし、裁判では、実情に応じて、これが修正される場合が多々ある。別項で解説予定。

2 逸失利益は、後遺障害等級により、大きく異なる。
例えば、後遺症が、同じ「神経系統の機能に障害を残した場合」でも、
その程度が、
「軽易な労務以外の労務に服することができないとき」に該当すると7級になるので、労働能力喪失率は56%になり、
「服することができる労務が相当な程度制限されるもの」とされると9級になるので、労働能力喪失率は35%とされ、
「局部に頑固な神経症状を残すもの」とされると12級になるので、労働能力喪失率は」12%とされ、
「局部に神経症状を残すもの」とされると14級になるので、労働能力喪失率は5%とされる。
この結果、後遺症が何級になるかによって、逸失利益が大きく変わってくるのである。

3 労働能力喪失期間
⑴ 原則
 原則として症状固定時から67際まで。
学生や児童の場合は、18歳から。ただし大学へ行く蓋然性が高いときは22歳から。
⑵ 高齢者の場合
症状固定時から67歳までの年数が平均余命の1/2より短くなる場合は、平均余命の1/2。
⑶ むち打ち症の場合
なお、むち打ち症の場合は、一定期間経過すると症状が緩解するとの理由で、12級で10年程度、14級で5年程度に制限する裁判例が多い(別項で詳説)。

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菊池捷男(弁護士)

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