交通事故 43 遅延損害金
第1 休車損害
1 休車損害の意味
休車損害とは、交通事故のために営業用の車両が動かなくなり、利益が得られなくなった損害をいう。
2 休車損害が認められる車
タクシー、バス、貨物トラックなどの、緑ナンバーの営業車について、原則として、休車損害が認められるが、例外として、事故車両が使えなくとも遊休車両が使えた場合は、休車損害が認められないことになる。
3 外注費
事故車が使えなくなったため貨物運送が出来ず、同業他社に貨物運送を委託したときの外注費(から費用を控除した金額)が損害になる場合もある。
4 損害額
損害額は、車両1日あたりの営業収入から経費を引いた額に休車期間を乗じた金額になる。
⑴ 1日当たりの営業収入は、通常、1月~1年間の売り上げ実績を保有台数で割った金額になるが、当該事故車両の営業収入の算出が可能な方法があれば、その方になる。
⑵ 経費は、燃料代、通行料などの変動経費になる。固定経費(減価償却費・保険料・駐車場使用料など)は事故車両が動かなくともかかる経費であるので、ここでは控除しない。人件費も休車によってその支払いが免れない限り控除しない。
5 期間
休車期間は、代車期間と同じ期間になるが、営業者の買換の場合、装備などの仕様につき別注文があることが多いので、納車期間は長くなる場合がある。
第2 その他の物損
1 事故処理にかかる損害や損害賠償請求伴う費用が考えられる。
車両の保管料・車両の引き上げ費用(レッカー代)・時価査定料・事故減額証明手数料等である。