遺言執行者観に関する謬説がなくなるまで①
法律の世界で、
理由とは、
「一定の判断又は決定をするに至った、そのよりどころとなる具体的根拠をいう。」
とされています。
例えば、「判決理由」
この言葉の意味は、
判決の結論である主文を導き出すに至った経過についての事実上、法律上の具体的根拠又はその説示、
のことです。
したがって、
理由と根拠は、同義語です。
いや、正確にいうと、同義語であるはずですが・・・・
ある調停事件で
A弁護士
「長男は反省がないから、500万円は支払えない。100万円なら支払う。」
調停委員
「法的には500万円以上の支払義務があるはずですけどねえ。100万円しか支払えないとは、驚きましたねえ・・」
A弁護士
「100万円しか支払えない理由は、長男がけしからんからだ。」
驚くなかれ!
これは実際にあった話です。
実は先日、今年の司法試験に合格した方より、手紙をいただきました。
「私は、長年試験では苦労しましたが、論文では“根拠を書く”ということを、頭にインプットして、論文を書くようになり、合格しました。」
と書かれていました。
その方は、A弁護士流の二股膏薬的「理由」ではなく、法令に“根を下ろした拠点”である根拠を書くようになったので、合格したのでしょう。