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相続 172 遺言の解釈⑦ 遺言の撤回があったか?

菊池捷男

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1 遺言の撤回
遺言書はいったん書いても、遺言者の意思で、遺言書によっていつでも撤回ができます。

2 最初の遺言書の文言
その財産はすべて妻に譲る。

3 二度目の遺言書の文言
妻存命中は土地家屋その他一切現状を維持し、その死後は土地家屋その他を処分して金に換え、子供らに1/4を与える。

4 問題
二度目の遺言書は、最初の遺言書を撤回し、相続は子供らがするが、妻の生活を保障するために、売却及び遺産の分割を禁止し、妻が死亡した後、土地家屋その他の財産を処分して子らの間で法定相続分に従い配分せよという意味に解釈(撤回説)すべきか?それとも、二度目の遺言書は、最初の遺言書を前提とし、妻の将来を心配して、他の相続人(子供ら)が妻に不当に干渉しないようにし、その上で、妻死亡後の希望を子供らに伝えるものであると解釈(非撤回説)すべきか?

5 東京高裁平成14.8.29判決は、非撤回説、その原審である東京地裁平成13.12.20判決は撤回説を採用しました。

この見解の違いは、第二遺言書と最初の遺言書が抵触するかどうかの判断の違いによるものです。

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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

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