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泉田裕史

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コラム

生産緑地2022年問題

資産税務

2017年5月11日

○生産緑地とは…
都市部に残る緑地を守る狙いで1974年に制定された生産緑地法に基づき、市町村から指定を受けた農地で、1区画500平方メートル以上の土地であることや30年間の営農などが条件で、指定されると自由な売買や住宅建築などの農業目的以外での使用ができなくなります。
一方で、指定されると固定資産税は純農地並みとなり、非常に安くなるメリットがあり、1992年の改正時に生産緑地の指定を受けた人が多くおられます。

○2022年問題とは…
改正後、1992年に指定を受けた生産緑地は2022年で30年を経過する為、所有者は市区町村の農業委員会に土地の買取りを申し出る事が可能となります。法律では、市町村は特別な事情がない限り、時価で買い取らなければならないと定めていますが、主に財政負担が難しいという事情から今まで買い取るケースは殆どありませんでした。市町村が買い取らない場合、市町村の斡旋によっても生産緑地として買う人がいない場合は、この生産緑地指定が解除されます。生産緑地が解除されると、固定資産税が宅地の1/200程度に減額されていたものが、軽減が無くなり固定資産税が一気に跳ね上がるために所有者は維持できず、売却や有効活用の選択を迫られる可能性があります。

相続が発生しても生産緑地を選択した方もいらっしゃいます。納税猶予制度の適用を受ける場合、三大都市圏の特定市の場合は生産緑地の指定が条件となり、相続税評価は農業投資価格と非常に低廉になり、固定資産税も今まで通り少ないままで良いというのが理由でしょう。
デメリットとしては、生産緑地を相続した方は終身営農又は20年間の営農が義務付けられる事で、原則として農地所有者が自ら耕作する事が要件となり、万が一途中で農業をやめてしまうと、相続当時の相続税納税額と共に一定の利息を付けて払わなければならない事です。以後、生産緑地の解除により一斉に大量の土地が市場に出る事可能性があります。土地を仕入れるメインプレイヤーは建売住宅ビルダー、立地が良ければマンション分譲業者となるでしょうが、多くの土地に買い手がつかずに、叩き売りになる事も考えられます。宅地として所有していたら、大幅に増加した固定資産税も支払えなくなってしまいます。売れないなら賃貸住宅を建築する事で固定資産税を1/6に減額しようと考える地主も多くなるでしょう。

〇今後の対応策
①生産緑地の買い取り申請をし、農業は続ける。
相続税の納税猶予を適用している場合は、猶予税額を納める必要が出ることも…
②生産緑地の買い取り申請をし、土地を売却する。
売却した農地の面積によって、猶予税額の全部又は一部を納税することに…
また、先祖から相続した農地であることがほとんど⇒譲渡所得税が高額になることも…
③このまま生産緑地指定を受けて、農業を続ける。
次の相続まで農業を続けて、相続時に買い取り請求をし、次は納税猶予をしない。
④相続発生後に生産緑地指定を解除して売却する。

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